■『シマシマ』の説明と三種類の文

『シマシマ』とは、女性の横で添い寝だけをするマンガである。セックスもなく、恋愛感情もなく、ただ添い寝をするだけ。横に男性がいるだけで、安心して眠ることができる。そんな女性のための添い寝屋・ストライシープの話である。
『シマシマ』はとても読みやすい。その理由の一つは表現の明確さである。『シマシマ』に使われている文には三種類ある。フキダシに囲まれた文、四角い枠に囲まれた文、背景に直接書き込まれる文である。この三つは性質が異なっており、小説におけるカギカッコ、カッコ、地の文に相当する。
■三種の文の違い
まず、フキダシはカギカッコである。カギカッコ “「」” はある人物が別の人物に対して口に出して話しかける言葉である。自分以外の他人に聞かせること、理解させることを念頭に置いた文である。会話文であるため、分かりやすい。
四角い枠は飛ばして、背景に直接書き込まれる文。これは小説における地の文である。人物が何を聞いてどう感じているか、どう考えているのかという文である。これは人物が自分自身で思い浮かべたことであるため、他者に聞かせることを考慮していない。
最後に、四角い枠の文がカッコ ”()” に相当する。これも人物の心理描写に使われているが、地の文とは違った性質を持つ。地の文は他者を意識せず、カッコも他の作中人物を意識しない。ただ、カッコは読者の存在は意識した文なのである。
■ブレない表現の読みやすさ
マンガは多かれ少なかれ、このカギカッコとカッコ、地の文の性質を使い分けている。カッコを表現する際、フキダシを雲形にするというお約束がある。ただし、多くのマンガは使い分けをさほど意識するわけでなく、しばしば混用される。
『シマシマ』の場合、これらの使い分けが明確である。個人的に、『シマシマ』はとても読みやすいマンガだと思う。それはマンガを描くのに使われているルールが明確なためだ。表現のブレがないため、絵とストーリーを同じリズムで読み進めることができる。
|