 レンタルマギカ:三田誠
遅ればせながら、『レンタルマギカ』を読んでました。角川スニーカー文庫から発売中の、魔法ものライトノベルです。試しに一冊と思って読んだのですが、面白くて。気が付いたら、書店にあるだけのシリーズを買ってきてしまいました。
この作品にちょっと似てるな、と思ったものがあります。それは『バッカーノ!』と『とある魔術の禁書目録』です。どちらも電撃文庫から発売されているライトノベルです。それぞれと比較しながら、『レンタルマギカ』について書いてみます。
 バッカーノ!:成田良悟
まず、一冊目は『バッカーノ!』。この作品にはジャグジーという少年が登場します。とても気が弱くて、血を見たりケンカしているのを見ると、すぐに気分が悪くなってしまいます。しかも、とてつもない泣き虫で、右目にごっつい眼帯をつけているクセに、何かにつけて泣き出します。
訂正)ジャグジーは眼帯じゃなくて、刺青でした。ツッコミ、ありがとう。
ところが、事件が進行し、どうにもならなくなると。周りの仲間が傷つけられたり、どうしても許せないことがあると、○○は立ち上がります。まるで人が変わったかのように堂々と命令を下し、あらゆる事件を解決してしまいます。『バッカーノ!』には主人公と呼べるキャラクターが何人もいるんですが、その中でも人気のキャラクターです。
そして、『レンタルマギカ』の主人公、伊庭いつきも非常に気が弱い少年です。高校生といえば、そうそう泣いたり叫んだりしない年頃です。ところが、いつきはお化け屋敷でも青い顔になり、ことあるごとに叫びだすほどです。
しかし、やはり、主人公。いつきは魔法使いを貸し出す会社の社長をやっております。肉体ごと魔法になってしまった狂気の魔法使いや古くから崇められてきた死霊の塊である鬼と戦ったりするわけです。どうにもならない、窮地に陥った時、いつきも眼帯を外し、秘めたる力で敵を退けるのです。
 とある魔術の禁書目録:鎌池和馬
二冊目、『とある魔術の禁書目録』。ガンガンでコミカライズされたり、電撃大王で『とある科学の超電磁砲』なるスピンオフコミックが連載されていたり、とうとうアニメ化まで決定した。今一番勢いのあるライトノベルです。
こっちの主人公は、上条当麻といいます。勢いがあるのはシリーズだけでなく、上条という男自身が熱い。メチャクチャ熱いです。普段はダラダラしている、ちょっとオタッキーな高校生です。魔法や超能力が使われる世界で、ただ一人だけ、それらの幻想の力を木っ端微塵に打ち砕きます。
世の中には悪いことをするために生きている人間なんていません。どれほど悪人に見えようとも、言動や行動が禍々しくとも、そこには何らかの事情があります。どんな人間にも正義があり、万人にとっての正義なんてありえないのです。
しかし、それでも、上条当麻は戦い続けます。正義を成すためでもなければ、悪を倒すためでもなく。敵がどんな理由を持っていようとも、その行動が理不尽であれば、立ち上がるのです。例えば、百万人を救うために、十人を犠牲にするしかないとします。そんな時、上条は百万と十人を救う方法を考え、力づくでも成し遂げる。そんな男なわけです。
『レンタルマギカ』の伊庭いつきも、熱いです。ごくごく普通の、平凡な日常を送っていた男子高校生だったいつきは、いきなり魔法の世界に引っ張り込まれます。失踪した父親の跡を継ぐために呼び込まれ、命のやり取りが平然と行われる社会に巻き込まれます。
臆病ないつきは怯え、恐怖します。しかし、魔法の世界で行われている、非情なルールに対しては、とことんまで抵抗します。偉大な魔法を次代に遺すため生贄を必要とするのなら、そんな魔法は消し去ればいい、と。何かを犠牲にして、何かを手に入れる。魔法の世界の常識を覆していきます。世界の理不尽さに対抗していくのです。
まとめると、『レンタルマギカ』は、『バッカーノ!』のキャラクター造形、『とある魔術の禁書目録』のテーマに似たものを持っているのです。どっちかが好きなら、きっと『レンタルマギカ』も気に入ると思いますよ。
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