■オススメマンガ

Under the Rose (1) 冬の物語    バースコミックスデラックス
Under the Rose:船戸明里
少年の孤独な復讐譚

放浪息子 (1) (Beam comix)
放浪息子:志村貴子
少女になりたい少年の話

あいらぶ日和 1 (1) (IKKI COMICS)
あいらぶ日和:アキタコウ
らぶらぶでシュールなコメディ

たかまれ!タカマル (1) (Beam comix)
たかまれ!タカマル:近藤るるる
可愛すぎて、好きなキャラが選べません
群青学舎 一巻 (ビームコミックス)
群青学舎:入江亜季
一歩外れた日常があります

■オススメエロマンガ

遠い日の欠片
遠い日の欠片:佐々原憂樹
子悪魔でイタズラなロリっ娘

Stripe Cats (別冊エースファイブコミックス)
Stripe Cats:らする
健気でえっちな女の子

Romareda TENMA COMICS LO
Romareda:スミヤ
デンマークの異文化少女

ワン ホット ミニット (TENMA COMICS LO)
ワン ホット ミニット (TENMA COMICS LO)
リアルで非現実な会話が生々しい!

ツンデレさん (TENMAコミックス)
ツンデレさん:猫玄
つっけんどんで単刀直入なツンデレさん

■アクセスランキング


■2008/04/30(水) 「少女の毒は蜜の味」 4月の帯紹介 このエントリーを含むはてなブックマーク

というわけで、恒例の帯紹介です。基準は、今月発売された本、ではなくて、今月買った本です。

WORKING!! 5 (ヤングガンガンコミックス)
WORKING!!:高津カリノ


 「恋に恋して、恋煩い。」

 一冊目は『WORKING!!』の5巻。ツンデレの暴力娘・伊波さんと可愛いもの大好き男子高校生・小鳥遊との恋模様。それに加えて、無愛想な佐藤と帯刀お姉さんの轟さんも不穏な様子。ファミレスの天井裏に住み着く山田や小鳥遊の妹・なずなも良い味出してます。

エロイネコ (メガストアコミックスシリーズ No. 128)
エロイネコ:野良黒ネロ


 「もみたいカラダ」

 打って変わって、二冊目は『エロイネコ』。『蹴りたい背中』を彷彿とさせながら、この他には考えられないワードです。キャラの顔を描くのは上手くない作家さんなんですが、帯にある通り、体を描くのはムチャクチャ上手いです。まるで、マシュマロのような質感を感じさせます。

2週間のアバンチュール (Fx COMICS)
2週間のアバンチュール:中村明日美子


 「少女の毒は蜜の味」

 中村明日美子の新刊『2週間のアバンチュール』です。明日美子さんは、非常に独特です。ただ一枚の絵が、驚くほど危うい。デフォルメの極地ともいえるような大胆な曲線を持ちながら、人間の姿を真似るマネキンのような人間形をしています。「毒」や「蜜」という言葉が、これほどふさわしい作家はいないですね。

群青学舎 三巻 (BEAM COMIX)
群青学舎:入江亜季


 「じゃじゃ馬だって すてきでしょう 君!」

 コミックビームの新刊『群青学舎』3巻です。これだけは、実はまだ読んでません。あまりに好きすぎるので、ここぞというタイミングで読むために温存してあります。でも、帯の言葉に想像が膨らみますよね。一体何があったのか、じゃじゃ馬なのか。ねえ?

おひるね ちゅっ!
おひるね ちゅっ!:YUG


 「そーっとしてね。」

 最後は、こちら。『おひるね ちゅっ!』。YUGさんの過去に絶版になった画集に、新たにコミックを加えて出しなおした、小型の画集です。エロマンガで仕事してる方ですから、エロいんです。が、それだけなく、どこか穏やかで牧歌的な画集なんですね。エロくて穏やか。矛盾しているように思われるかもですが、見れば分かる。

 てなわけで、今月の帯紹介はこんなところです。ちょっと眠いです。では、また明日。
23:06 | トラックバック(0) | コメント(0) | 帯紹介 | Page Top


■2008/04/29(火) だからなんだよ!、良い意味で このエントリーを含むはてなブックマーク

 福満しげゆきの新刊が面白いから、困る。

 タイトルはずばり『うちの妻ってどうでしょう?』。タイトルだけ読むと、いかにもノロケ満載のマンガに思える。帯に書かれた「妻ってよく観察してみると←かわいい!←面白い! ただし油断すると咬まれるので注意! 相手は野生動物だ!」という煽り文句も、あたかもノロケのように見せている。

 でも、全然違う。ノロケだとか、ラブラブだとか、そんな話では決してない。いや、妻はかわいい。福満さんの妻はかわいい。本物に会ったことはないのだけど、絵にかかれる妻は見た目がすごくかわいいし、その言動や行動もかわいい。

うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス)


 しかし、そういう問題ではないのだ。このマンガの面白さは、かわいいだのノロケだのといったところにはない。というか、かわいいけど、そもそもノロケ要素はない。だって、この妻はものすごくキレやすくて、夫を口汚く罵ったり、殴る蹴るの暴行を加えたりするのだ。ちょっと怖い。

うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス)
うちの妻ってどうでしょう?:福満しげゆき


 例えば、コレ。福満さんがテレビ見てる時の話。ボクシングなんかを見ていると、派手そうな人よりは地味な人の方が強く思う、という出だし。

うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス)
うちの妻ってどうでしょう?:福満しげゆき


 その理由は、派手な人がチャラチャラするために費やしている時間を、地味な人は練習に費やしているから。実際にどうなのか知らないが、そう思えるらしい。

うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス)
うちの妻ってどうでしょう?:福満しげゆき


 そして、オチがこれである。「地味な髪型の人が勝つ!!」。それだけ。オチてない。まがりなりにもマンガだが、オチてない。

 このズレである。このズレがすごい。そもそも、四コママンガみたいな形式を取っているにも関わらず、あるエピソードが何コマで終わるのか、全然分からない。ものによっては最初から最後まで同じエピソードの展開だし、かと思えば上のヤツは三コマで終わった。

 しかも、オチない。オチるはずのところで、全然オチない。ボケはボケっぱなし、疑問は疑問のまま。あらゆることが投げっぱなしで終わる。「なんだこれ」、と。「だからなんだよ」っていう。この奇妙なフラストレーション。最初のページから最後まで、ずっと同じ調子でオチない。

 このストレスがいい。ストレスがいいというのはおかしな話かもしれないが、そうなのだ。どんな話もオチない。寸止め。行くと見せかけて、行かない。そのギリギリ具合が良いのである。分かるかなぁ。
23:02 | トラックバック(0) | コメント(0) | マンガ | Page Top


■2008/04/28(月) 雑誌読者以外には超絶なネタバレをしつつ、『ワンピース』と『ナルト』を較べて論ずる このエントリーを含むはてなブックマーク

ONE PIECE 巻49 (49) (ジャンプコミックス)    NARUTO 巻ノ41 (41) (ジャンプコミックス)


AskJohnふぁんくらぶ: 例えば『NARUTO』と『ONE PIECE』を較べて論ずるのは変ですか
カトゆー家断絶から。

 「おかしいのですか?」という話なので、『ワンピース』と『ナルト』について無理矢理でも論じてみる。

 両者の共通点として挙げられるのが、主人公が超常的な体質を持っている点である。『ワンピース』の主人公ルフィはゴム人間である。体がゴムのように伸び縮みする。バネのように使って強い力を出したり、飛んでくる弾丸を跳ね返すことができる。小さな頃に悪魔の実を食べ、体質が変化したのである。

 『ナルト』の主人公であるナルトは、九尾の狐を体内に棲まわせる少年である。九尾の狐とは巨大な体と妖気を持つバケモノである。そのバケモノを体に飼っているナルトは、それゆえに強大なチャクラを備えている。

 二つ目は、主人公の出生が物語の核心であり、両親は謎に包まれている点である。『ワンピース』のルフィの父親は世界政府に楯突くテロリストであり、祖父は海軍の幹部であることが明かされつつある。そして、海賊王であるゴールド・ロジャーとも関わりのあることが匂わされている。

 『ナルト』のナルトも重大な秘密を抱えている。ナルトの属する木ノ葉の里には火影と呼ばれる頭領がいるのだが、どうやらナルトの父親は火影の四代目だったらしい。物語の核心部分に当たると思われるが、四代目については未だほとんど語られていない。

 逆に違っている点もある。『ワンピース』のルフィは無類の強さを見せる。反則といってもいいくらいに、強い。バラバラのバギーや魚人のアーロンくらいならまだしも、王下七武海のメンバーを二人までも倒している。であるにも関わらず、ルフィが強くなった理由がほぼ描かれない。修行シーンや勝った理由がないので、ルフィの感情が唯一の強さのバロメータになっているように見える。

 一方で、『ナルト』では修行のシーンが描かれている。初期の頃にはカカシがナルト・サスケ・サクラを訓練する場面がある。ザブザや白との戦いも訓練の一環と見ていいだろう。最近では、ナルトが螺旋丸を体得する際にも、一応の修行シーンがあった。

 まとめると、『ワンピース』『ナルト』の両作品共に特殊な体質と過去に連なる謎を持っている。ただし、『ワンピース』はキャラクターが力を持っていることに無頓着であるが、『ナルト』は未来を切り開くための強さというものに自覚的である。
22:15 | トラックバック(0) | コメント(0) | マンガ | Page Top


■2008/04/27(日) マンガに見られる対比の技法 このエントリーを含むはてなブックマーク

 マンガには対比の技法がある。例えば、同じ構図で別の絵を描くことで、二枚の間に関係性を持たせるやり方だ。文字で書くだけだと分かりづらいので、ちょっとスキャンした画像を見てもらう。見れば一発で分かるはずなので。

スピリット オブ ワンダー (モーニングKCDX (845))
スピリット オブ ワンダー:鶴田謙二


 上は、鶴田謙二の『Spirit of Wonder』の一作。「少年科學倶楽部火星へ」という32ページのマンガの一コマ。ひげ面で、額のせり上がった親父が左に、情けない顔の貧相な男が中央、アインシュタインもかくやという白髪メガネの老人が右にいる。三人は真ん中の火星儀を囲んでいる。

スピリット オブ ワンダー (モーニングKCDX (845))
スピリット オブ ワンダー:鶴田謙二


 二枚目は、こっち。帽子を被って生意気そうな少年が左に、びくついた表情の男が中央に、内気そうなメガネの子供が右にいる。こちらもやはり、三人は中央に火星儀を囲んでいる。この二枚の絵は、同じ構図を使っているのが分かる。

 説明するまでもないが、上の絵に描かれている親父と下の絵の子供たちは同一人物である。この三人は少年科學倶楽部のメンバーなのである。時間が経って、互いにじいさんになってしまったけど、友情や夢は変わっていない。そういう対比である。

 対比の演出が生み出す効果には二種類ある。上のように、「おっさんになっている」という変わっている部分を見せることで、「夢を諦めていない」という変わっていない部分を強調する効果。もう一つは、上とは逆で、変わっていない部分を見せることで、変わっている部分を強調する効果である。全く同じ技法だが、違う結果を出すことができる。

 また、上の例は時間の経過をはっきりと示す演出として機能している。場合によっては、AグループとBグループに同じ構図を使うことで、AとBの関係が似ていることを示す場合もある。結構使い出のある技だ。
21:21 | トラックバック(0) | コメント(0) | マンガ | Page Top


■2008/04/26(土) 日本の事故防止にマンガを活用! このエントリーを含むはてなブックマーク

越えられない壁で信号無視を抑止
カトゆー家断絶から。

 SFとかで、空間に映像が浮かんでるシーンがありますよね。『ナデシコ』のコミュニケータを想像みたいな。あれと同じことが、現代の技術で可能になってるんです。光の振動の波を重ね合わせると、強い光になります。レーザーってヤツです。

 そして、空気中には色んな成分が混じっています。酸素や炭素、二酸化炭素に窒素なんかですね。レーザーを上手い具合に発射して、酸素や窒素にぶつけるのです。そうすると、酸素や窒素がファイアーして、光る。まあ、ようするに、レーザーで空気に絵が描けるわけです。

 リンク先の記事は、信号機の横の道路に人間の絵を浮かべてみましょう。そうすると、ドライバーはあたかも人間を轢いてるような気分になるので、赤信号を無視したりしなくなるはずだ、と。でも、僕が思うに、そういうのって、慣れちゃうと思うんですよ。

ぷらいまり (TENMAコミックス LO)


 そこで、提案です。エッチな看板のある道路では、よく事故が起こるっていうじゃないですか。それは男性ドライバーが看板の方に集中しちゃうので、道路の方を見なくなるからです。それと同じ原理を使えばいいんです。

 つまり、できるだけ長く見ていたいようなイラストを空間に投影すれば、ドライバーは落ち着いて、できるだけ長く停止していようと思うはずです。昨今では車のIT化も進んでいますから、個人に合わせた映像を投影することも十分可能です。オタクの人だったら、上の画像で一発停止でしょう。

STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 05月号 [雑誌]


 中年の方や三次元にしか興味のないドライバーだったら、グラビア写真でもOKですし。

卓上 ペ・ヨンジュン 2008年カレンダー


 おばさまだったら、この方の出番です。

 相手の嫌がることを続けても、すぐに慣れてしまい、効果がありません。それよりは相手の好むようなことをした方が長続きするでしょう。きっと、このシステムが導入されたら、事故が減ること間違いなしですよ。
13:58 | トラックバック(0) | コメント(0) | マンガ | Page Top


■2008/04/25(金) 増加傾向? 『春季限定いちごタルト事件』など一般文芸のコミカライズ このエントリーを含むはてなブックマーク

 最近はライトノベルと一般文芸の境目がずいぶんなくなってきましたね。一般文芸が中高生に受け入れられてるというより、中高年がライトノベルに抵抗を持たなくなってきたんですかね。一般文芸のレーベルからライトノベルを思わせる作品が刊行されてます。

 そのせいか、最近はライトノベル以外の作品がコミカライズされることが多い印象があります。それも『YM十』のような活劇や『三国志』のような時代物じゃない。もっと、ポップでライトな一般文芸のコミカライズです。

GOTH (角川コミックス・エース)


 例えば、こちら。乙一の同名小説をコミカライズした『GOTH』。ごく淡々とした、人間としての感情の薄い主人公の青年。それと、非常に激しい感情を持ち合わせていながら、ある事件がキッカケで感情を外に表現しなくなった少女。

 彼ら二人は人が死ぬこと、殺人事件、不可解な出来事に強い興味を持っています。新聞に凶悪事件が載れば、切り抜き、話し合います。町で殺人事件が起きれば、その謎を解くべく調査をするのです。原作のスリリングでありながら、冷静で冷淡な文体がコミカライズにも上手い具合に反映されています。

春期限定いちごタルト事件 前 (Gファンタジーコミックス)


 こちらも、そうですね。米澤穂信の『春季限定いちごタルト事件』。小市民シリーズと呼ばれるシリーズの一つで、続巻に『夏季限定トロピカルパフェ事件』があり、もうそろそろ『秋期限定マロングラッセ事件』も出る予定です。

 小市民シリーズの主人公は、小鳩常悟朗。どんな事件でも首を突っ込んで、得意げに探偵してしまう性癖の持ち主です。その性癖ゆえに手痛いしっぺ返しを食らった彼は、探偵することを封印して、小市民たろうと努力しています。ヒロインである小佐内ゆきも、やはり小市民を志す一人です。彼女にも隠したい本性があるのですが、それは原作を読んでのお楽しみということで。

夜は短し歩けよ乙女 第1集 (1) (角川コミックス・エース 162-2)


 森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』。森見登美彦さんは良くも悪くも、同じような作品を量産するタイプの作家さんです。分かりやすくいうと、あだち充と『タッチ』みたいな関係ですね。あだち充がマンガを描くと、なんでも『タッチ』になってしまいます。どんだけ新連載として売り出しても、変わんない。しかも、面白い。森見登美彦はそんな作家さんです。

 森見登美彦に出てくる主人公は、モテません。十中八九持てないばかりか、自分がモテないことを自覚している上に、ひがんでいます。そして、主人公が頑張ってヒロインに猛烈アタックしようとすると、なぜか超常的な出来事が起きて、失敗します。

 舞台は昔話やおとぎ話、童話のような奇妙な世界です。例えば、大量の蛾が飛んできたり、自転車にこやか整理軍が出てきたり、最近ちょっと流行ってる図書館警察が出てきたりするのです。どこか懐かしいけど、非現実な物語が展開されます。本当にライトノベルといって差し支えないですね。

ルート225 (シリウスコミックス)


 つい一昨日辺りに発売された藤野千夜の『ルート225』もそうですね。藤野千夜さんは個人的には青春小説の人というイメージが強いです。『ルート225』のコミカライズを担当されているのは『放浪息子』や『青い花』でお馴染みの志村貴子さんです。

 『ルート225』というのは、国道の番号である同時に、数字もあります。225に√(ルート)の計算をすると、15と−15という二つの数字が導き出されます。答えが二つ出てくるのですが、どちらも正解です。そして、よく似た数字ですが、決して同じ数字ではありません。

 主人公であるエリ子とダイゴはごくごく普通の姉弟です。二人は家に帰る途中で、奇妙な世界に迷い込みます。同じ名前の友人の性格が、全然別になっていたり。死んだはずの少女が生きていたり。ほとんど同じなのに、少しだけ、決定的に違う。まるで、ルートの世界なのです。たった一枚のテレホンカードだけが、元の世界の連絡口になっています。はてさて、二人はどうなってしまうのか。

 原作の『ルート225』はライトノベル的な色彩が強いわけではありません。どちらかといえば、青春小説であり、一般文芸の作品という感じですね。このコミカライズは原作者である藤野千夜さんの要望で、志村貴子さんのコミカライズ依頼がされたということですから、上三つとはちょっと経緯が違ってるんですね。
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■2008/04/24(木) 共通する二つのポイントと異なっている一つの点 『ADAMAS』 このエントリーを含むはてなブックマーク

ADAMAS 1 (1) (イブニングKC)


 皆川亮二先生の新作が発売されました。ウルトラジャンプだけでなく、イブニングでも連載してたなんて、全然知らなかったです。元々はサンデーで『スプリガン』の連載をしてた方です。ということは、小学館に集英社と講談社。大手三社全てで連載した作家、ということになりますね。

 『ADAMAS』には、皆川亮二作品に共通するポイントが二つ。これまでになかった点が一つありますね。

 共通するポイントの一つは、主人公が冴えない人間を演じている点。皆川亮二作品の主人公は、みんな、ちょっと情けないです。例えば、『スプリガン』の御神苗優は超一級のエージェント。OO7みたいな潜入工作と戦闘能力を持ち合わせています。ところが、普段は日本の高校に通っていて、そこではオチャラケタ学生なのです。

 『D−LIVE』の主人公、斑鳩悟はどんな乗り物でも乗りこなせるスーパードライバーです。バイクや自動車、スノーモービルに重機までエンジンのついているものなら、あらゆるものは彼の手足になります。そんな彼も、やはり一介の高校生で、教室では貧乏で情けないクラスメイトとして扱われています。

 今作『ADAMAS』の主人公、流崎麗華も例外ではありません。彼女は石と会話をする特殊な能力があります。その能力によってゴリラ並みの怪力や読心術、催眠まがいのマインドコントロールからGPS要らずの探索能力まであります。しかし、一方で、彼女は生活費をアルバイトで稼がなければいけない、しがないOLなのです。職場では、宝石を見るのが上手い女の子、という感じなのです。

 共通するポイントの二つ目は、超自然的な力を身に付けている点です。上にも挙げた通り、皆川亮二作品の主人公は特殊な能力を身に付けていることが多いです。しかも、その能力はしばしば周囲の道具や自然と一体化し、力を借りるという形を取ります。

 『スプリガン』の御神苗優は上述したように、超一級のエージェントです。ただし、終盤では武器や防具に頼るのではなく、自らを周囲の自然と一体化する格闘術をも身に付けます。そして、それこそが本来の彼の持ち味だ、と称されるのです。

 『D−LIVE』の斑鳩悟の能力も同じです。彼は超絶的な運転技術を持っていますが、それは乗り物が彼に力を貸してくれるからこそできるのです。乗り物の意思というものが明示されるシーンはないのですが、彼が一体化する場面は作品の決め台詞にもなっていました。

 そして、『ADAMAS』の流崎麗華の能力も、石と心を通わせて、その力を引き出すことです。これまでは明示的に描かれることのなかったモノの意思が、今作でははっきりと描かれています。彼女は石と一体化することによってのみ、その力を発揮するのです。

 最後に、これまでの作品と違う点です。それは『ADAMAS』の主人公が、女性であることです。皆川亮二の作品は主要なもので六つ挙げられます。この中で女性が主人公になったのは、今作が初めてなのです。

 まず、『スプリガン』で登場する主要な女性キャラは染井芳乃とティア・フラットの二人だけでした。二人とも物語の核心にいるキャラクターでしたが、ほとんど出番がありませんでした。『ARMS』では久留間恵とユーゴーという二人の女性キャラが主人公格として登場します。

 『D−LIVE』においては、主人公をサポートするキャラという位置づけで清水初音、烏丸理香、亜取アキラの三人がしばしば物語に登場してきました。現在ウルトラジャンプで連載中の『ピースメーカー』では、幼い少女、ニコラが登場します。彼女は物語の重要な役目を持っており、主人公と共に旅を続けています。

 そして、今作『ADAMAS』では、ついに女性が主人公になったのです。こうして見ると、女性キャラクターが皆川亮二作品で存在感を増してきているのが分かります。当初はヒロインすら不在だった状態から、副主人公、そして、主人公です。

 『ADAMAS』は相変わらずの皆川亮二節でありながら、同時に変化する側面も持っています。『ピースメーカー』と共に、今後が期待できる一作です。
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■2008/04/23(水) 役立つライトノベルを紹介してみる! このエントリーを含むはてなブックマーク

■趣味は価値ではないけれど

ライトノベル愛読者が理解できない

 どこから見た記事だったのか、viaがはっきり思い出せません。

 まず、ばっさり切っちゃいますと、趣味に理由はいりませんね。例えば、サッカーや野球のようなスポーツは「体を鍛えられる有意義な趣味」と考えられがちです。でも、自動車や電車での移動が主流の現代において、体を鍛えるメリットそのものがないです。

 じゃあ、新書や専門書を読むのは有意義でしょうか。それはケースバイケースですね。例えば、数学者が数学の本を読むことは有意義だと言えます。しかし、電車の駅員さんが美術書を読むことは何ら有意義ではありませんね。彼の仕事の役には立たないんですから。

 でも、趣味って、そういうものですよね。お酒は脳細胞を破壊しますけど、みんなで騒ぐのは楽しいです。芥川の小説なんか、人生に悪影響を与える可能性の方が高いと思いますけど、楽しいのです。楽しいってことは、理由じゃないですね。

 そして、上記を前提としまして。あえて、有意義なライトノベルをオススメしましょう。

■『狼と香辛料』で経済を学ぼう

狼と香辛料 (電撃文庫)


 アニメ化しまして、コミックも順調な売行き。超有名と呼んで差し支えないライトノベル『狼と香辛料』です。『狼と香辛料』は流浪の旅商人ロレンスが主人公の経済小説です。村で余った小麦を仕入れ、別の村で毛皮に換え、今度は都会で鎧に換える。ロレンスはモノとモノ、金と金を交換することで日々を生きています。

 ヒロインのホロは賢く、可愛い狼の娘です。耳と尻尾はケダモノですが、頭の中身は神様のように澄み切っています。ロレンスの商売に首を突っ込み、ちょっとした取引から莫大な利益を上げさせてしまいます。かわいいだけではないのです。

 『狼と香辛料』を一冊読めば、貨幣レートや商売の仕組みなんかが、はっきり簡単に分かります。もちろん、小説は現代で使われている経済より簡単なモデルになっていますけど、基本は一緒です。小学生でも分かる文章で、楽しく簡単に経済のお勉強ができてしまいます。

■『終わりのクロニクル』で戦後を学ぼう

終わりのクロニクル1〈上〉   電撃文庫 AHEADシリーズ


 知る人ぞ知る、電撃文庫の伝説の作家、川上稔の大作です。初巻から最終巻まで並べると、本棚が半分埋まります。一冊がメチャクチャ分厚いんですね。そんな『終わりのクロニクル』のテーマは「戦後処理」です。

 戦争がありました。幾つもの世界があり、それぞれ独自の文化と物理法則を持っていました。文字が現実になる世界や名前と能力が一致する世界です。それらの世界はたった一つしか残ることができないため、互いに殺し合いを繰り返していました。それも全て過去の話。

 『終わりのクロニクル』は、戦争が全て終わったところから始まります。戦後五十年が経ち、直接に戦争を知る世代も少なくなった時代です。戦争を知らない勝利者が戦争を知らない敗北者に対して、戦後処理を行っていく。

 ようするに、『終わりのクロニクル』は日本の戦後の意識したライトノベルなのです。もちろん、これはあくまでも作り話で、フィクションです。でも、『終わりのクロニクル』を読むことで、戦時調停の難しさや戦後処理の困難さが多少なりと勉強できます。

■『封仙娘娘追宝録』で忍耐を学ぼう

天を決する大団円 上 (1) (富士見ファンタジア文庫 51-16 封仙娘娘追宝録 10)


 最後は『封仙娘娘追宝録』です。おっちょこちょいな仙人がいました。つい最近に見習いが取れたばかりの、なりたてほやほやの仙人です。彼女がうっかりミスをしたせいで、問題のある欠陥宝貝が仙人界から人間界に落ちていってしまったのです。

 宝貝とは仙人の道具で、魔法のようなことができてしまいます。しかも、それの欠陥品ばかりが108も逃げ出したのです。うっかり仙人・和穂は優しすぎるという欠陥のある刀の宝貝・殷雷と人間界へ旅立つのでした。

 『封仙娘娘追宝録』は、『フルメタ』や『召喚教師』、『オーフェン』に引けを取らないくらいの、傑作シリーズなんですよ。ところが、作者の急病と諸事情あって、初巻から二十年近く経った今でも最終巻が出ていません。あと一冊で大団円というところまで来て、ストップ中。

 ライトノベルの恐ろしいところは、ココなんですよ。基本的に、ほとんどのライトノベルは書き下ろしです。雑誌に連載されている作品なんて数えるほど。マンガだったら雑誌がありますから、最悪は打ち切りという形でも完結してくれます。ところが、ライトノベルは書き下ろしですから、打ち切りという形すら取らず、事実上の未完作品が数多い。終わったのかどうかすら、分からない。

 『封仙娘娘追宝録』は傑作です。でも、いつになったら終わるのやら、検討もつきません。さあ、あなたも読んでみましょう。きっと楽しくて楽しくてしょうがないはず。そして、シリーズ未完であることが悔しくてたまらなくなるはず。じっとこらえて、最新刊が出る忍耐を身に付けましょう。
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■2008/04/22(火) pixivにいるプロのエロマンガ家を集めてみた。 このエントリーを含むはてなブックマーク

pixivにいるプロのラノベイラストレーターを集めてみた。:ライトノベル名言図書館・別館
まなめはうすから。

 面白い記事だったので、僕の知ってるエロマンガ家を集めてみました。

教育指導 如月先生 (SANWA COMICS No.)

おおくぼマタギ

 そんなに有名な方ではないんですが、作家歴は長いです。でかいお乳と熟女がトレードマークの、プロエロマンガ家。年上のナースとか、年上の女教師とか、年上の人妻を描かせたら天下一品。熟女専用の方です。

遠い日の欠片

佐々原憂樹

 こちらは一点して、ほぼ幼女専門。無邪気で小悪魔、というのが通例です。昔はメガストアに描いてらしたんですが、最近はLOで『しゃるうぃーげーむ?』を連載してました。これが単行本になったら、『独蛾』と同じくらいの話題と売行きになること間違いなしっス。

夜伽ばなし (メガストアコミックス)

玉置勉強

 最近は『東京赤ずきん』や『ネクロマネスク』を連載して、一般誌に活躍の場を移されてます。が、元々は立派なエロマンガ家さんでした。大勢で小さな女の子を、みたいな暗めの話が多いんですが、非常に実用的なエロマンガを描く方です。
22:29 | トラックバック(0) | コメント(0) | エロマンガ | Page Top


■2008/04/21(月) 論理の才能でマンガ このエントリーを含むはてなブックマーク

 アニメ化するということなので、『西洋骨董洋菓子店』を読み返してました。ケーキとボーイズラブ、人情モノとミステリー。エンターテイメントに優れていながら、娯楽としてだけでは語りつくせない魅力のある作品です。だから、僕は、『西洋骨董洋菓子店』がよしながふみの最高傑作だ、と思ってます。

 元ヤンキーで、殴ったり蹴ったりすればなんでもできると信じていた。ボクシングを始めて、頂点に立ったところで戦えなくなった青年。幼い頃に誘拐され、何もかもが上手くできるのに、あらゆるものが上手くいかない青年。何をやっても下手な男に、男を誘惑することができない男。

 男四人が揃って、小さなケーキの店をやります。そこには色んな客が訪れます。犯人を捕まえられず、無念の思いを抱き続ける警官。必死になってサンドバックを叩くものの、全く勝つことのできないボクサー。好きな男を忘れられず、フランスから日本まで飛んできたゲイのパティシエ。

 風変わりなケーキショップの、奇妙な店員たち。そこに通ってくる、種々雑多な客たち。それぞれの店員も客も、関わりはなく。オムニバス形式で進んでいるように見えたストーリーが、一気にまとめられていく快感。これほど素晴らしい展開をするマンガ、そうはないですよ。

西洋骨董洋菓子店 (1)
西洋骨董洋菓子店:よしながふみ


 マンガ家としてのよしながふみのすごいところは、あらゆる演出を計算しているところです。例えば、上は一巻の第一話目のシーン。アンティークと名づけられたケーキ屋に、初めてお客が入ってきた場面のコマ。たったの一コマで、三つのことを明確に示しています。

 まず、一つは、『西洋骨董洋菓子店』がケーキのマンガである、という点です。これは一見当たり前のようですが、実は違います。高校の部活動を舞台にしたマンガだけど、やっているのは恋愛物。サッカーマンガだけど、サッカーよりも心理描写の方が多いマンガなど。作品の舞台やタイトルと内容は一致していないこともあります。よしながふみはこのコマで、マンガの舞台がどこで、何を描くのかを、第一話目の冒頭で説明しているのです。

 二点目は、ケーキ屋のオーナーであり、主人公でもある橘の頭の良さです。橘は勉強すればなんでもできる。教科書を読めば勉強ができますし、練習すれば歌も抜群に上手く、AVを見まくったせいでエッチも上手い。橘はやればなんでもできちゃう男という設定で、その説明になっているんです。

 さらに、橘は非常に口の上手い男でもあります。元々が凄ウデの営業マンで、どんな相手にでも商品を売りつける敏腕だったのです。そして、橘は女が大好きなので、女性に対しては生き生きと相手をする。そういう男でもあります。

 読者の大半が読み飛ばすだろう、大量のケーキの説明。これを右下に描かれた女性が嫌がらずに聞いていることが、橘が調子の良いところを発揮しているところを示しています。「普通だったらうざいだろうとこを、感心して聞いているということは、話が上手いんだろう」と読者に思わせるわけですね。

 何よりすごいところは、以上のような演出を施すために用意された台詞。コマの上半分を占める大量のフキダシの中身は、読まれないことを前提に作られている点です。それらしいことが書いてあって、大量の言葉のカタマリであることが分かれば、読まれなくても演出になっちゃうんです。

 つまり、よしながふみは計算しているのですよ。どういった内容の言葉がだったら、読者はケーキマンガであることを納得するか。どの程度書かれていれば、読み飛ばすか。どんな表情をさせたら、設定を理解するか。全部計算に入れて、描いているんです。

 芸術というのは、全く同じものを作るのは不可能です。同じ絵を見て、同じように描いた模写でも、色使いやタッチによって別の絵になってしまいます。一方で、数学は論理の道具です。誰がいつどこで使っても、同じ結果が出ます。

 よしながふみには、マンガの才能と言えるものがないです。もちろん、絵は描けますし、ストーリーだって作ってます。でも、芸術的な才能は全然ないです。しかし、よしながふみはマンガの論理というものを知っていて、それを完璧に使いこなしています。そこが、すごいとこなんですよね。
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■2008/04/20(日) 電車でマンガ、始めてみませんか? このエントリーを含むはてなブックマーク

■電車内マンガのススメ

 電車でマンガを読むのにハマっております。朝、本棚から一冊のマンガを抜き出すんですね。重くもなければ、軽くもない。シリアスなものでもないし、ギャグでもない。そういう一冊です。例えば、『ナツノクモ』は重くてシリアスなので、電車の中では読めません。だって、うっかりしたら乗り過ごしちゃいます。逆に、『ハチワンダイバー』のようにスピード感のあるものや『ボーボボ』みたいなギャグもダメです。だって、行きの電車で読み終わっちゃったら、帰りにすることなくなっちゃいます。

 だから、適度に明るくて、じっくりゆっくり読めて、読後感の良いものを選びます。朝ですから、マンガ一冊選ぶのに長々と時間を使ってられません。五分あったら、歯磨きできますし、洗い物も済んじゃいますし、トイレだって済ませられちゃいますからね。瞬間的で、直感的に、読むマンガを決める能力が必要です。

 なぜ、電車の中でマンガを読むかといいますと、僕は電車が好きじゃないんですね。電車という乗り物は嫌いじゃないんですが、そこに乗っているのが憂鬱なんです。朝起きた瞬間から家を出るまでは考える暇もないですし、電車を降りた後も考えてる時間なんてありません。でも、電車の中ってやることもないので、自然と頭が回っちゃう。「なんで、こんなギュウギュウなんだろう」とか「もう家に帰りたいなぁ」なんて思っちゃうわけです。

 そんな時に、マンガです。それも、すごく面白くて、気持ちの軽くなるようなマンガを読むわけです。すると、息苦しい電車内であることも忘れて、電車を降りた後のことも一切考えずに、楽しく過ごすことができるわけです。これは、すごく楽しいですよ。

■『庭先案内』

庭先案内 1巻


 電車で読むオススメ一冊目は、須藤真澄さんの『庭先案内』です。ジャンルを説明するとしたら、ファンタジーかSFといったところでしょうか。もっと正確にいえば、現代を舞台にしたおとぎ話のようなマンガです。

 例えば、ある村の温泉に浸かると、髪の色が赤や紫に変わってしまう。自然に髪が染まるので、おじいちゃんから子供までカラフルな頭をしています。どうしてなんだろう、と調べていくと、なんと三人の鬼が垢を温泉に降り注いでいたからなのです。村の景気を良くしよう、と鬼たちが頑張った結果だったのです。

 絵柄もかわいいし、お話もすごく素敵で、不思議なものばかりです。同じ話を何度読んでも飽きることがないのもいいですね。だって、万が一行きの電車で読み終わっちゃったとしても、最初からもう一度読み返せますからね。

■『群青学舎』

群青学舎 一巻 (ビームコミックス)


 二冊目は、入江亜季さんの『群青学舎』です。こちらも複数のエピソードが詰まった短編集になっています。田舎の学校が舞台だったり、中世ヨーロッパを思わせる世界が描かれることもあります。そういう意味での統一感はないですね。

 ただし、一作でも読めば分かるんですが、作家さんに強烈な個性があるんです。少年マンガとも少女マンガとも違う、独特の線の絵柄です。それに色々なエピソードがある中でも、何かを良いといったり悪いといったり。そういう主張もほとんどない。叙事詩というのでしょうか。出来事をあるがままに切り取ったような作風なんです。

 このマンガも、何度読んでも飽きません。話が素晴らしいのもあるんですが、その絵の詳細さや書き込みの量がすごいというのもあります。丹念に目を凝らしてみると、毎回何かしらの新しい発見が得られます。こんなところまで書き込まれているんだ、という驚きがあるんです。

■『よつばと』

よつばと! (1)


 そして、最後は、言わずと知れた『よつばと』です。あずまきよひこさんが電撃大王で連載されてる作品ですね。五歳児の元気っ子のよつばが、新しい世界を縦横無尽に駆け回ります。我々が見慣れたものでも、よつばにとっては見るもの全てが新しいのです。

 例えば、「花火大会」という言葉を聞いて、よつばは「大勢の人が手持ち花火を振り回して遊ぶ」姿を想像します。そして、本当の花火大会に行って、巨大な花火が撃ちあがる様を見て、感動します。僕も昔はこんなに感動したんだろうな、と思うと懐かしくて、ちょっと悲しいですね。

 よつばの視点で過ごしてみると、すごく楽しいと思うんです。どんなことでも感動して、驚いて、楽しめる。『よつばと』を読んだ後は、しばらくの間は、よつばのように感じられるような気がするんです。だから、電車で憂鬱な気分を吹き飛ばすには、一番なんです。
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■2008/04/19(土) 脳のスイッチを切り替えて、2.5次元へダイブしよう このエントリーを含むはてなブックマーク

■3次元と2次元、2.5次元は全然違うもの

 多分に漏れず、僕もニコ厨です。ランキングは上から下まで、1から100位まで完全にカバーしてますし、新着動画も熱心に見てる方です。で、ニコニコでは2.5次元という文化が出来上がりつつあるのですが、今日はその話。

 「かわいい」とか「萌え」という言葉を使いますけど、それってどういう意味でしょう。「萌えとは何か?」ってテーマは、三ヶ月に一回くらいの頻度で話題になりますよね。なんで頻繁に話題になるのかというと、結局のところ、誰もが納得する結論が出ていないからです。

 僕が思うに、3次元と2次元の核心はそれぞれ別のところにあるんです。そして、それら二つとは違う領域に、2.5次元という文化も存在します。これら三つは重なり合う部分を持ちながらも、個々に違う個性を持っており、それを「かわいい」や「萌え」という一個の言葉でくくるから、微妙にすれ違ってしまうんです。

■3次元とは眺める美



 僕が見た中で一番美しいと思った3次元の画像が、コレです。まず、一番に見てしまうのが、その瞳です。陳腐な形容ですけど、吸い込まれるような、見事な青。目線はカメラを向いておらず、無機質に虚空を眺めているため、より強烈な印象を与えます。

 個人的に好きな部分は、その肌です。頬の部分は薄っすら赤く、陰のある部分とない部分にコントラストが生じています。右下に少しだけ見える左肩はほとんど黒といってよく、逆に日を浴びた右肩は白く光っています。

 両の手は木の棒をぎゅっと掴み、握りしめています。中指と薬指の間は開けられており、右手の小指の下には皺ができています。左手の甲には青い血管が浮かび上がり、生々しい人間性と真っ白いマネキンのような人形性の両方を、同時に表しています。

 3次元の楽しみは、それを見入ることにある、と考えます。3次元とは写真が主であり、写真とは事実をあるがままに映し出したものです。撮る人間の意図したものは当然、撮られるモノの意図しなかったものまで、全てを詳細に映し出します。

 根本的に、3次元とはアナログなのです。ごく少量の「写したいモノ」の背景に、膨大なノイズが存在しています。そのノイズは眺めれば眺めるほどに、面白さを持ちます。ほとんどの人間にとって意味のないモノが、丹念に見る人にとって素晴らしい美なのです。

■2次元とは理解する美

たかまれ!タカマル (6)


 2次元で好きなものは多すぎて、選ぶのが難しいです。その中でも特に好きなのが、コレ。『たかまれ! タカマル』6巻の表紙。描かれているのは、百刈さん。初登場は高校一年で、現在は高二。外見だけだと、中学生か小学生にだって見えちゃいます。

 百ちゃんが巨大なクマのぬいぐるみを抱えています。百ちゃんは先輩であるゆきえさんが大好きです。ゆきえさんはぽっちゃりした女の子なので、このクマは大好きなゆきえさんを表してます。左手にはリードが握られており、その先は主人公タカマルの首に繋がってます。タカマルはゆきえさんにちょっかいを出す、憎き仇敵です。そして、同時に、百ちゃんがほんのり好意を寄せている相手でもあります。

 この表紙は、大好きなゆきえさんを両手に抱きしめ、忌々しいタカマルをひどい目に合わせつつ、手中に収めるイラストなのです。だから、百ちゃんは幸せそうな笑顔であり、見ようによっては意地悪く悦に入っているようにも見えます。

 解釈学という学問があります。ちょっとした図像や言葉などから、秘められた意味を判別する学問です。2次元の楽しみとは、解釈学の楽しみです。もちろん、単純に美しいものを見る楽しさもあります。しかし、それだけではなく、作者の込めた意味を推し量るのが2次元の醍醐味なのです。

■2.5次元とは幻想を保証する美



 そして、2.5次元です。そもそも、2.5次元というのは、概念を理解してもらうこそそのものが困難であるようにも思えます。我々は『らぶデス』や『アイマス』など、画面上に3Dとして再現されたデータを2.5次元と呼んでいます。不正確に、かつ分かりやすく書けば、現実を3次元、マンガを2次元とした場合、2.5次元とはゲームなわけです。

 3Dの女の子が動き回る姿は、奇妙です。その理由が二つあります。一つは、彼女たちが非常に独特な動き方をする点です。現実の人間は関節が連携することによって、なめらかな動きをしています。2.5次元の少女たちにも関節というデータは存在するのですが、その連携は完全なものではなく、非常にぎこちなく、不自然なのです。

 もう一つは、ささいな違いが気になってしまう点です。例えば、アニメのキャラクターが少しばかり不自然な動きをしても、誰も何も思いません。少なくとも、それに違和感を覚えません。アニメのキャラはデフォルメされたものであり、自然である必要もない。自分たちの縮尺として考える人間がいないからです。

 ところが、3Dの場合、事情が変わってきます。2.5次元の少女たちはうっかりと現実の人間に近いがために、まるで人間のように認識してしまうのです。2次元のアニメであれば気にしなかったような、独特の動き方が、非常に奇妙に見えてしまうのです。そこには強烈な違和感があります。

 では、2.5次元に魅力はないのか、といえば、そんなことはありません。『アイマス』が愛されているのは、そのゲーム性やキャラクターの愛らしさ、楽曲の素晴らしさ。そして、2.5次元の魅力があるからこそ、なのです。

 2.5次元の魅力とは何か。おそらく、それは、不自然さとの葛藤です。2.5次元の少女たちが動き回る様を見ていると、まるで現実に存在するのではないかと思うことがあります。いえ、正確には、自分自身が隣に立てるのではないか、という幻想を抱けるのです。2次元の世界に自身を没入させるよりも容易に、2.5次元の世界に入り込むことができるのです。彼女たちは3次元の美点を持ち合わせています。

 しかし、その不自然な動きが、ある種の幻想をも保ったままにしてくれます。現実に存在する人間ならば美しい面もあれば、醜い面もあります。物語では、人間の両面を愛せることが愛することだ、としたり顔で語られます。ですが、できるなら、美しい面だけを見ていたいと願うのは、人間の真理です。

 だから、亜美や真美が不自然な動きをするたびに、ほっとするのです。現実の延長線上に存在するかに見える彼女たちは、現実ではない。だから、醜い面を持たなくてもいい。美希のぎこちない動作が、美しい面だけしか持たないアイドルであることを保証してくれるのです。そう、それは本来であれば、2次元にしか持ち得ないものです。

 つまり、2.5次元の少女は3次元と2次元の両方を抱える存在なのです。それは直に接せられるような体感的な美しさを持ち、反面で汚れることのない清浄をも抱えています。ほんのちょっとの不自然さが、それをユーザーに教えてくれます。

■脳のスイッチを切り替える

 例えば、サッカーと野球、バスケ。体を動かすという点では同じですが、本格的に楽しむためには、それぞれ別々の考え方をする必要があります。サッカーは戦略性のゲームですし、野球は一球に込められた癖を見ることが必要です。バスケは非常にスピーディですから、脳を使う速度も変わってきます。

 これと同じで、3次元と2次元、2.5次元では楽しみ方が全く違います。美少女を愛でる点においては変わらないとはいえ、3次元と2次元、2.5次元に対して、同じ見方をしていては楽しめません。意識的に脳のスイッチを切り替えることで、ようやく100%楽しむことができるようになるのです。
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■2008/04/18(金) 女性にもオススメできるエロマンガは、コレだ! このエントリーを含むはてなブックマーク

女性にとって男性向け同人ってどう思うのか?:アルファルファモザイク
カトゆー家断絶から。

 女性にとって男性向け同人はどうなんでしょう。スレまとめを見る限りでは、意外にも多くの女性が男性向けの同人誌を読んでる。そして、楽しんでるようですね。今日は、僕の独断と偏見で、女性にも抵抗なさそうなエロマンガを選んでみます。

■『お乳屋本舗』

お乳屋本舗 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)


 一冊目は、八十八良先生の『お乳屋本舗』。以前にも書いたんですが、このマンガは絵が上手い上に、面白すぎる。ギャグマンガ以上に面白いネタを、惜しみなく投入している、ムチャクチャ完成度の高い一冊です。

 例えば、姑の嫌味に耐えかねて、姑の歯ブラシを流しに投げつけていたら、棒状のものが持てなくなっちゃった主婦。例えば、新体操の衣装が毎回とんでもないことになっている女子高生。いきなり巨大化して、素っ裸になっちゃった地球防衛隊。なんだそれ、って思いません?

■『視力矯正少女恋愛學』

視力矯正少女恋愛學


 二冊目はへかとん先生の『視力矯正少女恋愛學』。ともかく、絵柄がかわいいです。上の表紙を見ても分かる通り、丸くて小さなデザインになってます。西島大介や岩岡ヒサエなど、デザインに優れた作家さんというのは、男女問わずに好かれると思うんですよね。

 それに、『視力矯正少女恋愛學』は純愛モノです。陵辱とか寝取られなど、読み手を選ぶのがエロマンガの常です。過激であればあるほど描きやすいのも、エロマンガです。そんな中で、純愛モノで、ストーリーのしっかりしている『視力矯正少女恋愛學』は読み手を選ばないと思うんですよ。

■『ロマレダ』

Romareda TENMA COMICS LO


 最後の一冊はスミヤ先生の『ロマレダ』です。絵柄がちょっと独特ですけど、不思議な魅力があります。上半身を露出させた女の子が座ってる表紙というのは、いかにもエロマンガ的なんです。けど、エロさ以上の神秘性があります。

 イラストと同様に、収録作品も独特の世界観を持っています。例えば、一作目はモンゴルを舞台にした、初々しい少女が主人公。一夫多妻で、彼女は第三婦人として嫁いできます。何もかもが初めてで、ドキドキする様子がとても可愛らしいです。エピソードそのものはなんてことないんですが、その雰囲気が素晴らしいです。

■もっと過激なモノだと

 個人的には、みかんR先生や町田ひらく先生の作品なんかは、男女問わずに受け入れられる作品だと思います。彼らの作品はエロマンガを通り越して、文学の域まで達してます。ただ、男女問わずに読み手を選ぶので、一律にオススメはできないかなって感じです。
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■2008/04/17(木) ツンドクしがちなマンガ、ベスト3? このエントリーを含むはてなブックマーク

■ツンドクベスト3

きなこ餅コミック 積み本・積読は漫画への差別である〜健全な積読ライフとは?〜
カトゆー家断絶から。

 僕の部屋には、山になるほどツンドクはありません。けど、ツンドクタワーを作ってしまう人の気持ちも分かります。大好きだけど、手の出しづらいマンガというのが、あるんです。今日は僕のツンドクベスト3を書いてみます。

■第3位 『アンダーザローズ』

アンダーザローズ 5―春の賛歌 (5) (バーズコミックス)

 船戸明里さんの『アンダーザローズ』です。19世紀イギリス、華やかなりしヴィクトリア朝の最後の時間を切り取った物語です。イギリスは栄光に包まれ、華美で繊細な世界を作り上げています。一方で、貴族や領地など封建制が依然として残り、内部にはドロドロとした膿の溜まった時代でもあります。

 美麗と退廃という二極を、ある貴族の家庭を通して描いた傑作が『アンダーザローズ』です。貧しいものにも等しく恵みを与える領主、家族が互いに互いを愛し、まるで神に望まれた世界そのものであるかのような貴族一家。

 しかし、領主は幾人もの女性を愛人にし、子供を生ませています。神に禁じられた姦淫を行っているのです。生まれた子供のうち、あるものは亡き母の復讐に燃え、あるものは母への偏愛を隠し持ちます。その内実は、まるで悪魔のようなのです。

 『アンダーザローズ』は読み手の精神に与えるショックが、半端ないです。例えば、早朝なんかに読んだら、一日中倦怠感に包まれ、やる気がなくなることは間違いありません。素晴らしい作品であるだけに、疲れてる時なんかに読んだら、僕の心がへし折れます。

■第2位 『ARIA』

ARIA(12) (BLADE COMICS)

 天野こずえさんの『ARIA』です。ご存知の通り、近未来の火星を舞台にした、癒し系マンガです。島から島への行き来どころか、町の中を移動するにも船が必要な火星。そこで、観光業の花形である女性船主ウンディーネを目指す女の子の日常を描いた良作です。

 「これこそ、疲れてる時に読む本だ」と思われるかもしれないんですが、僕の場合、そうじゃなくて。ものすごく疲れてる時だと、『ARIA』の美しいイラストや台詞が、僕の心を上滑りしていくんですね。ものすごくテンポがゆっくりな作品なので、そのテンポに合わせられる心の余裕が必要になってくるんですよ。だから、ちょっとだけ元気が残ってる時じゃないと、楽しめないんです。

■第1位 『放浪息子』

放浪息子 7 (BEAM COMIX)

 志村貴子さんの『放浪息子』です。女の子の格好をしたい二鳥君と男の子になりたい高槻さん、その周囲の友人たちの話です。小学校の高学年から始まって、今は中学生になりました。オカマのユキさんとの出会いや合宿での出来事、性別を反対にした演劇などなど。

 このマンガは、結構色んなことが起こります。が、淡々としてます。台詞による説明もないですし、分かりやすいアクションもないです。そこで何が起こっているのか、全て読者が読み解かなきゃいけません。僕のような読解大好き人間ですと、読み解くものがムチャクチャあって、すごく楽しいです。

 楽しいんですが、やっぱり、余裕がないと、読めないんですよね。二鳥君が悲しむ理由や高槻さんが怒っている理由は、ちゃんとマンガに描いてあります。でも、疲れてると、なぜそうなっているのか、読み解けないんです。

■疲れてると読めないマンガ

 結論から言いますと、3つとも、疲れてると読めないマンガなんです。どうしても、後回しになっちゃう。例えば、『ハチワンダイバー』とか『よつばと』とか、解説が丁寧で、読みやすいものを先に読んじゃうんです。
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■2008/04/16(水) ごく自然に、頭がおかしい。それが尾玉なみえ。 このエントリーを含むはてなブックマーク

 『マコちゃんのリップクリーム』読んだんですけど、相変わらずですね。相変わらずの、尾玉なみえです。

マコちゃんのリップクリーム 1 (1) (シリウスコミックス)
マコちゃんのリップクリーム:尾玉なみえ


 ピカソやダリって、とにかく変な絵を描くじゃないですか。横顔と正面の顔を合体させて、人間を描いたり。ぐんにゃりした時計やものすごく足の長い馬を描いてみたり。彼らの絵が持っているおかしさは、常識で理解できないおかしさなんです。

 尾玉なみえは、ちょっと違います。尾玉なみえも、相当おかしな絵を描きます。しかも、それは常識では理解できるはずなんだけど、なんだかおかしいのです。現実にも存在するものを、現実にも起こりえるような組み合わせで使用して、なおかつおかしい。

 上は、アフロのおっさんです。おっさんのくせに、やたらとつぶらな目をしています。アイフルに出てくるチワワと同じくらいに、目だけかわいい。そして、背中にしょっているのは、ミサイル砲。おっさんもミサイル砲も理解できますが、その二つが組み合わさってると、途端に意味が分からなくなります。

アイドル地獄変 (ヤングジャンプコミックス)
アイドル地獄変:尾玉なみえ


 このおかしさは最近になって始まったことではなくて、デビュー当初からそうでした。といって、『純情パイン』を探してみたんですけど、どっかに行ってしまってまして。仕方がないので、『アイドル地獄変』にしておきました。

 檻の中に、女の子が入れられてます。巨大ロボットに乗る熱血主人公みたいな目をしてますが、一応アイドルです。しかも、彼女は自分から檻に入ってます。「一流のアイドルは檻の中でも存在感を発揮できる」とかなんとか。

アイドル地獄変 (ヤングジャンプコミックス)
アイドル地獄変:尾玉なみえ


 こっちなんか、もっとひどい。洗濯バサミは我々も日常的によく使っています。洗濯バサミを指や手の甲につけて、「引っ張ると痛い」とか、そういうこともやります。お笑い番組なんかだと、洗濯バサミの罰ゲームだってあります。しかし、顔面をキレイに覆い隠すほどの洗濯バサミ。明らかにおかしいです。

 しかも、何がすごいって、この三枚。全てマンガ上では必然的に登場しているところです。「なんとなくインパクトのある絵を描いてみた」というわけではなくて、「描く必要があったから描いてみた」という。尾玉なみえのマンガには、こういう奇妙なコマがごく自然と描かれるんです。何がおそろしいって、自然におかしいのが、こわい。
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■2008/04/15(火) たった数秒にこめられたドラマを描く 『よつばと』 このエントリーを含むはてなブックマーク

 『よつばと』読み返してました。キャラクターが可愛いとか、自然であるとか、懐かしい空気とか、そういったものがフィーチャーされがちです。けど、あずまきよひこ先生のすごさは、もっと基本的なとこですよね。もし、仮に台詞が一個もなかったとしても、絵だけで内容を表現できる。その見せ方が、すごく上手いんです。

よつばと! 7 (7) (電撃コミックス)
よつばと!:あずまきよひこ


 例えば、7巻のワンシーン。よつばや恵那、みうらが糸電話を作って遊ぶ回です。糸電話をauと言って、A999ZXなんて、いかにも子供が選びそうな型番を名づけさせてみたりします。一通り遊び終わった小学生軍団は、綾瀬家と小岩井家を糸電話で結ぶことを考えます。

 紙コップを、どうやって小岩井家まで通すか。紙コップは軽いですから、フワフワして投げられません。でも、鉛筆や本なんかに巻きつけて投げたら、確実にガラスを割ります。そこで、風香のぬいぐるみを使って、小岩井家の窓まで投げ飛ばす作戦に出ます。

 「ヒュン」という軽やかな文字が、みうらのためらいのなさをよく表していると思います。「ホントに投げていいのかな」なんて遠慮があれば、こんな文字にはなりません。「さあ、飛べ」という気概があったればこその、「ヒュン」です。

よつばと! 7 (7) (電撃コミックス)
よつばと!:あずまきよひこ


 で、こっちが投げ終わった後。恵那とみうらがうなだれてます。いえ、うなだれてるんじゃなくて、窓の下をのぞいてるんですね。風香がほとんど同じ状態で描かれているので気づきにくいですが、色々な部分がさりげなく描き換えられています。

 二枚の画像を比べてみると、一枚目はキャラクターではなくて、窓を中心に描かれているのが分かります。右端のカーテンはまとまっていますが、左のカーテンはだらっと斜めに下がっています。ところが、二枚目の画像では、窓は半分くらいしか描かれず、左端のカーテンもまとめられています。恵那が下をのぞくためにまとめたのでしょう。そして、絵の中心が左にずれたことによって、恵那とみうらの背中の丸さが強調されているのです。

 あずまきよひこ先生は、たった二枚の絵を使って、たった一つのことを表現しています。しかも、たった一つのことを表現するためだけに、様々な手がかりやヒントを描き、そこに多くの想像の余地を作っています。物語上においては、たった数秒のことなんですけど、そこにものすごくたくさんのことが詰め込まれているんです。すごいよなぁ。
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■2008/04/14(月) 使い魔を操って、吸血鬼の王様になろう : ウソ紹介シリーズ2 『DARK EDGE』 このエントリーを含むはてなブックマーク

 『DARK EDGE』は、今流行りの吸血鬼ものなんスよ。といっても、一巻発売されたのが1999年。おおよそ、十年前なんスけど。第何次だか知らないスけど、今の吸血鬼ブームを起こした『月姫』が1999年なんで、ちょうど同時期やったんスね。

DARK EDGE 1 (1)
DARK EDGE:相川有


 『DARK EDGE』は、吸血鬼の王様を決定しましょう、っていうマンガ。一人につき一体の使い魔がいて、それを使って戦います。使い魔には自分で戦う子もいれば、サポートだけする子もいます。上にはポチといって、飼い主が欲しいと思ったアイテムを持ってきます。

DARK EDGE 1 (1)
DARK EDGE:相川有


 持ち主が女の子だと、使い魔もちょっと違った形になってますね。より繊細で、軽やかなフォルムです。ちょっと妖精ぽい。この子の名前はネフェルティ。剣の形に変身して、他の王様候補やゾンビを切り裂きます。

DARK EDGE 1 (1)
DARK EDGE:相川有


 そして、使い魔はランクアップというか、進化します。持ち主が死にかけると、というか、死んじゃうとでっかくなって、体を守るようになるんです。最初はポチのようにちっこくて丸いヤツも、こんだけごつくてでかくなるんです。

 こういう可愛かったり、可愛くなかったりする使い魔を使って、王様候補が戦いあう。それが『DARK EDGE』です。謎あり、スリルあり、恋愛ありのエンターテイメントなわけですよ。ウソですけど。
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■2008/04/13(日) 地味な中にもワンポイント。『パパトールドミー』のファッションチェック このエントリーを含むはてなブックマーク

 『パパトールドミー』を読み返してました。相変わらず、主人公の知世ちゃんが可愛らしい。マンガですから当たり前ですけど、いつ読んでも変わらない愛らしさをしていますね。特に、3巻は服装が凝っていて、すごく良いんですよ。

Papa told me (3) (ヤングユーコミックス (032))
Papa told me:榛野なな恵


 例えば、コレ。ノリの利いていそうなシャツにグレーのズボン。髪は後ろで縛って流し、足には凝ったサンダルを履いています。全体的には地味な中、左肩に幾つかだけ花のコラージュがつけてあります。

Papa told me (3) (ヤングユーコミックス (032))
Papa told me:榛野なな恵


 こちらは、流した頭に黒い帽子を被っています。帽子には葉や花が飾られていて、そこだけとても華やかです。服装は茶色のセーターで、やはりちょっと地味な感じです。

Papa told me (3) (ヤングユーコミックス (032))
Papa told me:榛野なな恵


 最後に、こちら。髪はグルグルにして、左右に一つずつまとめています。上着は前面から開くようになっていて、ややゆったりめ。ズボンは黒くて、やや短めです。

 知世ちゃんは地味目な服が好きらしいです。表紙でも、白黒藍色に茶など、落ち着いた色が多いです。でも、地味な中に必ずワンポイントを仕込んでいて、その対比からとても華やかに見えるんですよね。
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■2008/04/12(土) よしながふみのマンガには女しか出てこないんじゃね? このエントリーを含むはてなブックマーク

 『西洋骨董洋菓子店』がアニメ化するということで、よしながふみ作品を読み返していた。よしながふみの作品は、不思議なくらいにすんなり読める。絵が分かりやすいということや、物語の構成や演出がものすごく上手いということもある。

 でも、それだけじゃない。なんだろう、なんだろうと思っていたのだけど、『フラワーオブライフ』を読んで、理解した。理解というか、納得である。俺以外の人間が納得するかどうかは知らないし、作者本人が認めるかどうかも知らない。でも、まあ、いいから聞きなさい。

 よしながふみの作品に出てくるキャラクターは、全員女性なのである。設定上はチンコがついていたり、ついていなかったりするのだけど、その本質はみな女性である。より正確にいえば、よしながふみの作品には男性が一切描かれない。だから、読みやすいのだ。

フラワー・オブ・ライフ (1) (Wings comics)
フラワー・オブ・ライフ:よしながふみ


 『フラワーオブライフ』の主人公。金髪で長身で、イケメン。白血病で死に掛けたけど、骨髄を移植して、なんとか生きていけるようになった男。名前は春太郎っていう。そんで、そいつが姉貴に作ってもらった弁当に文句言ってるところ。

 一応は普通の男子高校生って設定。で、普通の男子高校生は弁当に「色目が悪い」なんて文句は、絶対につけない。断言する。そもそも、弁当の中身を詳細に見るなんてことはありえない。だいたいトンカツ見た段階で、「ラッキー」と思って終了である。

フラワー・オブ・ライフ (1) (Wings comics)
フラワー・オブ・ライフ:よしながふみ


 こっちは、もう一人の主人公というか脇役というか、友人。平日昼間の教室で、でっかい声でアニメの話をしてしまう。嫌なオタクの典型みたいな男である。名前は真島。メガネを外すと、突如として美景になるというお約束キャラでもある。

 そいつがコミケに行って、戦利品の同人誌を電車で読んでるとこなんだが。ていうか、電車で同人広げるヤツが結構いて、リアルに嫌だから困る。真島は少女小説原作の百合本を読んで、「こんなカップリングを書いてるヤツの気が知れん」などと文句つけてる。重ねて書くと、カップリングに文句つける男なんて見たことない。

 しかし、なんで春太郎が弁当を詳細に観察しているのだろうか。それは作者であるよしながふみが料理に異常な執着を見出す女だからである。そして、真島がカップリングに独特な文句をつけているのは、よしながふみがボーイズラブの人だからである。ようするに、どっちのキャラもよしながふみの明確な分身なのである。

 よしながふみ作品に女性しか登場しない、というのは、こういうことである。まず、女性キャラは当然に女性である。設定上も女性なのだから、これについては議論の余地がない。そして、男性キャラもまた女性である。何故なら、それは女性であるよしながふみの分身だからだ。

 例えば、『ToLoveる』に登場するキャラクターは、全員が男性である。男性キャラは男性として描かれているし、女性キャラも男性の欲望に忠実に描かれているからだ。そして、だからこそ、『ToLoveる』は読みやすい。作品全体が男性原理を中心に動いているため、非常に分かりやすいからだ。

 これと同じで、よしながふみの作品には、女性のみが登場する。だから、作品全体が女性原理で動くのである。そこに使われている原理は違うものの、その方向性は同じなのである。たった一つの原理によって作品を読めるのだから、当然に読みやすいのだ。
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■2008/04/11(金) ユウレイ? ボッコボコにしてやんよ このエントリーを含むはてなブックマーク

 『バタフライ』というのは、相川有のユウレイマンガ。正確には、ユウレイが一度足りとも登場しない、ユウレイマンガ。ホラーでもなければ、サスペンスでもない。怖くもないし、気持ち悪くもない。しいていうなら、ミステリー。そんなユウレイマンガである。

バタフライ 1 (1) (バーズコミックススペシャル)
バタフライ:相川有


 主人公は銀次といって、ゴリラ顔の高校生。ちっさい頃に、内気な少年だった兄貴の首吊りを見てしまった不幸なゴリラ。それ以来、怖い話だのオカルト、不思議発見みたいなものが大嫌い。どんくらい嫌いかというと、お化け屋敷でユウレイを殴り倒しちゃうくらい、嫌いなのである。

バタフライ 1 (1) (バーズコミックススペシャル)
バタフライ:相川有


 そんでもって、ヒロインはこちら。黒髪の眼鏡っ子。名前は上羽といって、実は男の子。他人のイメージを読み取ること、イメージしたものを3Dホログラフできちゃう。ようするに、赤の他人の妄想を万人に見える形にできちゃいます。

 ところが、上羽は出すだけ出しても、消せません。出したら出しっぱなしで、自分じゃどうにもならまへん。そこで、銀次にストーキングして、出しちゃったユウレイを消してもらうわけです。ショタっ子にストーキングなんて、うらやましい!

バタフライ 1 (1) (バーズコミックススペシャル)
バタフライ:相川有


 しかも、銀次はゴリラ顔のくせに、金髪ツインテールの幼女にまでフラグ立てる。ややツンデレ気味の小学生で、双葉ちゃん。わざわざ、京都からラブコールである。どうやったら、二次元の世界に行けるのか、ぜひ教えて欲しい。

 で、久しぶりに読み返してたんだけど、『バタフライ』面白いよね。ていうか、相川有、面白いよね。
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■2008/04/10(木) 美しい服を汚す悦び 『妻漫』 このエントリーを含むはてなブックマーク

 西安先生の『妻漫』買いました。表紙があまりにも美しいので、買ってしまったのです。鳴子ハナハル先生やさめだ小判先生と同じくらいの、とてつもない美しさですよ。美しいだけでなく、そこに色気があるんですね。額縁に入れて、飾っておきたいくらい美しく、エロい。

 そう、このマンガはむちゃくちゃに、エロい。エロマンガほど、作者のリビドーが表れるジャンルはないですね。例えば、明らかに毛の描写に力を入れている作者さんもいますし、どんな話でも必ずアナルを持ってくる作者さんもいます。ロリ系しか描かない、という筋金入りの人とかも。

妻漫 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)    妻漫 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)    妻漫 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)
妻漫:西安


 で、この『妻漫』の作者である西安先生のリビドーは、明らかに服ですね。上の画像は、着物にブレザー、ウェディングドレスです。 他にも、バニーや野球の運動服、ナース、体操服にブルマまで、ほとんどあらゆるフェチに対応できるだけの服装が描かれています。

 しかも、これらの服装がおざなりじゃない。着物の帯の描かれ方やウェディングドレスを見れば分かるように、細部までこだわって、綺麗に描かれているのです。エロマンガのメインは女性なわけですが、そのメインと同じか、それ以上にエネルギーを注ぎ込んで描かれているのは一目瞭然です。

 普通のエロマンガでは、服というのは女の子の入れ物であって、脱ぎ捨てられてしまうものです。だから、おざなりになる。ところが、この作品の場合、服が脱がされることが、まずありません。全編通して、全裸になるコマなんて10もありません。他は、全て、着たままです。

 着たまますれば、当然に汚れます。そこが、まさにリビドーの表れるところで、必ず汚れるのです。つまり、これ以上ないほど美しく描かれた服を、着たままにセックスし、汚れてしまう。そこまで至って、初めて欲望が完結しているのです。それがおそらく作者のリビドーであり、読者の下腹を熱くさせる源なのですよ。
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■2008/04/09(水) 『それでも町は廻っている』に見る、間抜けな日常 このエントリーを含むはてなブックマーク

 今更ながら『それでも町は廻っている』の4巻を読みました。相変わらず、ものすごく空気感が強いです。シリアスなストーリーがないでもないけど、オチがある。コメディマンガだけど、キレのある笑いはない。まるで、日常みたいです。

それでも町は廻っている 4 (4) (ヤングキングコミックス)
それでも町は廻っている:石黒正数


 例えば、4巻では意外にも露出シーンが多かったわけなんですが、これがさっぱり色っぽくない。上は、川で遊んでいて、びしょぬれになり、全裸になったところ。マンガの女性キャラの全裸って、もっと色っぽいはずなんだけど、全然。不思議なくらいに、色気がない。

それでも町は廻っている 4 (4) (ヤングキングコミックス)
それでも町は廻っている:石黒正数


 こちらは、けんけんぱに張り切る主人公の歩鳥。現役の女子高生がメイド服を着ていて、スカートをたくし上げているシーンなのに、全くもってエロくない。アニメで見る、ひらひら揺れるスカートにはパンチラを期待してしまうのが男心なわけですが、『それ町』の場合、パンチラを見たいとも思いません。

それでも町は廻っている 4 (4) (ヤングキングコミックス)
それでも町は廻っている:石黒正数


 これなんか、パンツにシャツだけ。例えば、パンツとシャツだけの女の子っていうキーワードは、ものすごく興奮します。もう、勝手にテンションがマックスまで上がりきる。色々な想像をかき立てるはずのシチュエーションです。けど、こと『それ町』に関しては、不思議なくらい間抜けさが際立ちます。

 かわいい女の子って実はすごくマンガ的だな、と思うのです。『あずまんが大王』や『らき☆すた』は日常系と呼ばれたりするわけですけど、本当は全然日常的じゃないですよね。あんなにかわいい女の子たちが楽しく暮らしてる世界なんて、そうそうお目にかからないです。

 『それでも町は廻っている』にも、かわいい女の子が出てこないわけではないです。設定上はかわいい人もいっぱいいます。でも、マンガ的にはかわいくないんですよね。むしろ、間抜けな感じが強いです。そして、だからこそ良い。間抜けさって、とっても日常的じゃないですか。
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■2008/04/08(火) 珍獣系美少女タビが調教されていくマンガ 『タビと道づれ』 このエントリーを含むはてなブックマーク

 『タビと道づれ』を読み返してました。たなかのか先生の作品で、ちょっと眉毛の太い女の子が主人公です。一応高校生なんですけども、全くもって見えない。中学生か、下手すると小学生といっても通じちゃいそうな見た目です。

タビと道づれ 1 (1) (BLADE COMICS)
タビと道づれ:たなかのか


 名前は、タビ。タビって聞くと、僕は「足袋」を思い出してしまうんですけど、たぶん、「旅」をイメージした名前なんだと思います。同じ一日が何回も何十回も繰り返される街があって、そこに突然にやってきたのがタビです。

 タビは、すごく不思議な考え方をする人です。黒い穴からどこかに落ちていきそうになっている時でも、考えることは「中国雑技団」と「名前」のこと。中国雑技団だったら、自力で抜け出せるのに。知り合いに助けを求める時は、なんて呼んだらいいのだろう。悲鳴もあげずに、そんなことばかり考えています。

タビと道づれ 1 (1) (BLADE COMICS)
タビと道づれ:たなかのか


 知り合った方としては、そんな彼女にイライラさせられっ放し。それも、短気な人であればあるほど、イライラも大きいです。タビは思っていることを口にするどころか、身振り手振りもロクにしません。大きなリアクションだと、首を振るくらいです。

 そんな彼女にゴウを煮やした友人は、タビの特訓を始めます。少々乱暴で、強引ですけども、「口を使って、喋らせる」修行を始めるのです。教習所の教官のように、首を振りはじめたら、すかさずチェックを入れていきます。

タビと道づれ 1 (1) (BLADE COMICS)
タビと道づれ:たなかのか


 そうして、タビは少しずつ変わっていきます。変わっていく自分に喜び、自信をつけていきます。「ありがとう」と。自分の思ったことを素直に口に出せることが、タビにとっては嬉しいことなのです。内気で、少し変わった女の子が、じょじょに世界に開いていきます。

 変わっていくタビは、周囲の人間も少しずつ変えていきます。活発だけれど、自己中心的なところのあるユキタや自分の未来に自身の持てないカノコを、変えていきます。同じ時間の繰り返される街が、タビによって動かされていきます。

 『タビと道づれ』は、ちょっとした珍獣のような生態をしたタビが変わっていく話です。そして、珍獣が珍獣らしいままに生きていく道を見つけることで、周囲の人たちも変えていく話なのです。
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■2008/04/07(月) 原作の大人なホロもいいですけれど、コミック版のホロは年齢下がり気味です。 このエントリーを含むはてなブックマーク

 『狼と香辛料』のコミック買いました。原作も読んでるし、アニメ版も見てますが、コミックのホロの可愛さはダントツですね。

狼と香辛料 1 (1) (電撃コミックス)
狼と香辛料:小梅けいと


 原作のホロって、かなり大人じゃないですか。ロレンスを手玉に取って、絶対に弱みを見せない。とてもプライドの高い女性なんです。だからこそ、たまに見せる弱気な部分や言外の信頼に気がついた時、すごく嬉しくなる。そういうキャラです。

 コミックのホロは、かなり違います。とても愛らしくて、小さい女の子です。少なくとも、主人公のロレンスよりも若い、少女に見えます。普段の立ち振る舞いも子供染みていて、すぐに膨れたり、甘えたりしてきます。ところが、会話の端々や商談になると、年季のいった商人を軽く言い負かしてみせるのです。

狼と香辛料 1 (1) (電撃コミックス)
狼と香辛料:小梅けいと


 では、原作の売りである経済描写はどうか。これも、とても分かりやすく描かれています。例えば、上はロレンスが新米の騎士を相手にするシーンです。原作だったら、食べ物を差し出すメリットが数行に渡って書かれるはずです。ところが、コミックではロレンスの手の動きや表情だけで、その意図を描いてしまいます。絵を見るだけで、「ああ、お菓子をあげることで、懐柔しているんだ」と分かるのです。

狼と香辛料 1 (1) (電撃コミックス)      狼と香辛料 1 (1) (電撃コミックス)
狼と香辛料:小梅けいと


 年季のいった商人と渡り合うシーンも、なかなか見ごたえがあります。商人に毛皮を渡してみせているシーンなのですが、