ゴージャス宝田先生の新刊がすごすぎる。これは爆弾。間違いなく、爆弾。まず、間違いなく、家族や友人や恋人に見せちゃいけない。もうね、人格を疑われるとか、そんなレベルじゃない。ああ、って感じ。ああ、もうこの人は、そういう人なんだな。関わらないようにしよう、と。そんくらい素晴らしい。
タイトルは、その名も『お兄ちゃんクチュクチュしすぎだよっ』。名前を聞いただけで分かる、このヤバさ。ニコニコ界隈だと「作者は病気」とか「病院行け」というのは誉めことば。あの言葉が、そのままあてはまる。いや、ゴージャス宝田先生は狂ってます。良い意味で。素晴らしく、おかしい。
短編集なわけですよ。二作を除いて、全て妹モノ。最近は妹モノにおける禁忌なんて感覚はまず描かれないんだけど。この作品は違う。兄妹であることを最大限に生かした、というか利用した。いや、活用した仕様になっていて。
ゆれ幅が、ものすごい。人間の一般社会における常識というものがある。それは人の悪口を言わないとか、道路にゴミを捨てない。家族を大事にして、友人と仲良く暮らす、とか。そして、兄と妹がセックスしない、というのも常識である。
この常識というのが、忘れられていない。作品の世界の中では、根底に常識がある。やっていいことと悪いことの区別が明確にあって、それが我々が生きている現実の世界と何ら変わっていない。ごくごく普通の、平凡な世界である。
にも関わらず、狂っている。やってはいけないことである。けれども、兄と妹がセックスをする。それも、メチャクチャにハードな、やりたい放題の、猿のようなセックスを展開するのである。ほとんどのエロマンガと比べて、それを軽々と越すくらいに濃密に描かれる。
この幅が、おそろしいくらいに、エロい。一方では、ごく平凡な日常生活が展開され。もう一方では、現実どころかフィクションの世界の最辺境にまで届くほどの狂気を見せつける。このギャップが、組み合わせが、すごいのだ。
さらにいえば、ヒロインの少女たちがとてつもなく、強い。筋肉があるとか格闘といった物理的な強さでもないし、勉強ができることや賢しいなど頭脳の上の話でもなく。精神が強い。兄が好きであるとか、信頼などというものではなく、自ら未来を切り開くほどの心の強さを持っている。
妹モノであり、ロリコンものとなれば、結局のところ、少女は搾取されるものとして描かれるのが常だ。性別や年齢という構造がそうするし、書き手が男であれば自然とそうなる。ところが、この作品は違う。男性が特別に弱弱しいわけでもないのだが、それ以上に少女が強い。
エヴァやナウシカなど、少女が戦う物語がオタクの主軸としてある、と書いた人がいた。強くて可愛いものがオタクの願望なのだとすれば、この作品の少女たちは間違いなくそれである。戦うヒロインである。それは少女に対する崇拝だといっていい。
ともかくも、この作品は爆弾である。エロマンガの形を取った、爆弾である。
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