『世縒りゆび』読んだんですが、かなり不思議な話です。イマジネーションが素晴らしいですね。とても幻想的な世界を描いていて、それはまるで川原由美子『観用少女』のようです。
 世縒りゆび:騎崎サブゼロ
例えば、これは誰もいなくなった、荒れ果てたビルで見つけたもの。コンクリートの地面に顔をつっこむ、ダチョウです。これが本当に鳥なのか、鳥に似たオブジェなのか。剥製なのかも、それとも生きているのかも見た目では分かりません。
 世縒りゆび:騎崎サブゼロ
こちらは、茄子の実をつけるヒマワリ。しかも、苺の味がします。こんなものを生み出すことができるのは、尋常ではありません。そう、このマンガは錬金術をテーマにした作品なのです。願ったものを願った形にする、錬金術です。
『鋼の錬金術師』は等価交換を原則としていて、金目のものを別の形に作りかえる。分子や原子を入れ替えて、別の物質に変えています。『鋼の錬金術師』のルールは、等価交換です。そこには決まりきった、一つのルールがあるのです。
『世縒りゆび』における錬金術のルールは、願ったものを願った形に、です。願っていないものは変えられません。そして、姿を変えられるのは願った形にだけです。そのものの願いを聞いて、それを叶えてあげるのが錬金術なのです。
上にあるダチョウやヒマワリは、それらが願った形なのです。ダチョウは昼間は花に変化します。ダチョウがそれを望んだからです。ヒマワリは苺味の茄子をつけます。それはヒマワリが望んだからです。望んだものを望んだ形に。
幻想的な世界観とルール、キレイなイラスト。まるで、童話か昔話、伝説のような作品です。創造的なイマジネーション溢れる、それが『世縒りゆび』という作品です。
|