■ツンドクベスト3
きなこ餅コミック 積み本・積読は漫画への差別である〜健全な積読ライフとは?〜 カトゆー家断絶から。
僕の部屋には、山になるほどツンドクはありません。けど、ツンドクタワーを作ってしまう人の気持ちも分かります。大好きだけど、手の出しづらいマンガというのが、あるんです。今日は僕のツンドクベスト3を書いてみます。
■第3位 『アンダーザローズ』

船戸明里さんの『アンダーザローズ』です。19世紀イギリス、華やかなりしヴィクトリア朝の最後の時間を切り取った物語です。イギリスは栄光に包まれ、華美で繊細な世界を作り上げています。一方で、貴族や領地など封建制が依然として残り、内部にはドロドロとした膿の溜まった時代でもあります。
美麗と退廃という二極を、ある貴族の家庭を通して描いた傑作が『アンダーザローズ』です。貧しいものにも等しく恵みを与える領主、家族が互いに互いを愛し、まるで神に望まれた世界そのものであるかのような貴族一家。
しかし、領主は幾人もの女性を愛人にし、子供を生ませています。神に禁じられた姦淫を行っているのです。生まれた子供のうち、あるものは亡き母の復讐に燃え、あるものは母への偏愛を隠し持ちます。その内実は、まるで悪魔のようなのです。
『アンダーザローズ』は読み手の精神に与えるショックが、半端ないです。例えば、早朝なんかに読んだら、一日中倦怠感に包まれ、やる気がなくなることは間違いありません。素晴らしい作品であるだけに、疲れてる時なんかに読んだら、僕の心がへし折れます。
■第2位 『ARIA』

天野こずえさんの『ARIA』です。ご存知の通り、近未来の火星を舞台にした、癒し系マンガです。島から島への行き来どころか、町の中を移動するにも船が必要な火星。そこで、観光業の花形である女性船主ウンディーネを目指す女の子の日常を描いた良作です。
「これこそ、疲れてる時に読む本だ」と思われるかもしれないんですが、僕の場合、そうじゃなくて。ものすごく疲れてる時だと、『ARIA』の美しいイラストや台詞が、僕の心を上滑りしていくんですね。ものすごくテンポがゆっくりな作品なので、そのテンポに合わせられる心の余裕が必要になってくるんですよ。だから、ちょっとだけ元気が残ってる時じゃないと、楽しめないんです。
■第1位 『放浪息子』

志村貴子さんの『放浪息子』です。女の子の格好をしたい二鳥君と男の子になりたい高槻さん、その周囲の友人たちの話です。小学校の高学年から始まって、今は中学生になりました。オカマのユキさんとの出会いや合宿での出来事、性別を反対にした演劇などなど。
このマンガは、結構色んなことが起こります。が、淡々としてます。台詞による説明もないですし、分かりやすいアクションもないです。そこで何が起こっているのか、全て読者が読み解かなきゃいけません。僕のような読解大好き人間ですと、読み解くものがムチャクチャあって、すごく楽しいです。
楽しいんですが、やっぱり、余裕がないと、読めないんですよね。二鳥君が悲しむ理由や高槻さんが怒っている理由は、ちゃんとマンガに描いてあります。でも、疲れてると、なぜそうなっているのか、読み解けないんです。
■疲れてると読めないマンガ
結論から言いますと、3つとも、疲れてると読めないマンガなんです。どうしても、後回しになっちゃう。例えば、『ハチワンダイバー』とか『よつばと』とか、解説が丁寧で、読みやすいものを先に読んじゃうんです。
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