■角川スニーカー文庫の場合
『レンタルマギカ』が面白いんですよ。アニメ化しましたから、知っている方も多いかもしれません。『レンタルマギカ』というのはスニーカー文庫から出ているライトノベルのシリーズです。現在は確か12巻まで発売中です。どんな話かっていうと、↓です。
東に困った人いれば行って陰陽道の札を貼り西に探し物する人あれば行ってダウジングをする我ら魔法使い派遣会社アストラル。2代目社長伊庭いつきは慣れない仕事に日々涙。いつきのふがいなさを嘲笑う同業者は古代ソロモンの魔法<悪魔召喚>を使い、アストラルに挑戦状を叩きつけた。次次と倒される仲間を前に、いつきの真の力が目を覚ます。古代ケルト魔法、黒魔術、神道など世界中の魔法が集結。魔術の夜が始まる。
↑は、文庫の裏表紙に書かれたあらすじです。ここまで詳細に書かれていると、中身を読まなくても、ほとんど分かっちゃいますね。ちょっと情けない少年が魔法使いの派遣会社の社長になって、魔物や魔法使いと戦う話です。
で、↑のあらすじを読んでいて思ったのですが、スニーカー文庫のあらすじって、かなり詳細なものが多いんじゃないでしょうか。まさに「あらすじ」という感じで、本文の内容を上手い具合に縮めた文章になっています。
■富士見ファンタジア文庫の場合
「てめえいいかげんフザケタことばっか言ってっと、ローラーでひき殺すぞ!」 俺は心地よい眠りから、罵声でたたき起こされた。俺の名はオーフェン。本業は魔術師だが、副業でモグリの金貸しなんぞをやっている。 罵声の主はボルカンという地人のガキだ。俺から金を借りているくせに、ちっとも返そうとしやがらない。 このガキがどうやら、金儲けの話を見つけてきたらしい。あまり、アテにはできないが、とりあえず奴に言われたとおり盛装して、とある金持ちの屋敷にやって来たのだが……そこで、俺はあいつに出会ったのだ――。 期待の新鋭が描く、コミカルでシリアスなハイブリッド・ファンタジー!
例えば、↑は富士見ファンタジア文庫の超人気シリーズ『魔術師オーフェン はぐれ旅』の1巻のあらすじです。富士見ファンタジア文庫では、あらすじはカバーの袖に書かれています。シュリンクのかかったお店では見られない部分ですね。
■電撃文庫の場合
自分の部屋に、純白のシスターがいきなり空から降ってきた。 「ありえねえ……」 上条当麻はつぶやくが、そのシスター姿の少女はこう言った。自分は魔術の世界から逃げてきた――と。 ここは“超能力”が“一般科学”として認知された、アンチ・オカルトの学園都市。 上条は『インデックス』と名乗る謎の少女の言動をいぶかしむが、二人の前に本当に“魔術師”が現れて――! 期待の新人が贈る学園アクションストーリー登場!
こっちは、電撃文庫から発売されている人気シリーズ『とある魔術の禁書目録』のあらすじです。こちらもあらすじはカバーの袖です。ただし、電撃文庫の場合は、裏表紙に本編に関連のあるイラストが一つだけ描かれています。
富士見ファンタジア文庫も電撃文庫も、あらすじはあらすじではありません。物語の導入部分の内容になってはいますが、どんな話なのかを知るには役に立たない感じです。その代わり、作者の文体がそのまま表れているので、文体が自分に合うのかどうかを見極めることはできそうです。
■内容を示すあらすじ、作品の雰囲気を表すあらすじ
まとめると、まず、内容はどんな作品においても重要です。それに、ライトノベルに限らず、小説では文体も非常に重要です。スニーカー文庫のあらすじは内容を示すもの、富士見ファンタジア文庫と電撃文庫は作者の文体を示す役割を果たしているようです。
|