いやー、相変わらず、月マガは面白いですね。念のために説明すると、月刊マガジン・略して月マガです。実は結構長いこと読んでいて、そろそろ購読十八年目なんですよね。アフタヌーンは買ったり買わなかったりなんですが、月マガは何故か欠かさず読んでます。
少年ジャンプって変化を見せるマンガ誌なんですよね。主人公の成長やストーリーの展開、バトルの勝敗など、何かが変わる様子を描く雑誌です。そして、その流れで月マガを語ると、それは人間そのものを見せるマンガ誌です。いえ、主人公で魅せる、といってもいいかもです。
例えば、ジャンプの主人公に、困難はつきものです。ものすごい強敵に出会ったり、絶対に勝てない試合を戦ったりします。無様に泣いて叫んで、努力して、必死の形相で立ち上がったりします。その苦難の歴史が、勝った時の喜びを与えてくれるわけです。
 アイシールド21:稲垣理一郎×村田雄介 『アイシールド21』の主人公セナは、イジメられっ子でした。不良たちにイジメられ続け、パシらされ続け、とうとう誰よりも早く走れるようになったのです。そんなセナがアメフトに出会い、努力し、ついには日本一を決定するクリスマスボウルにまで出場する。それが『アイシールド21』という作品です。
月マガの主人公は違います。最近だと『BECK』のように、情けなかったり、かっこわるい姿を描くマンガもあります。でも、基本的には、月マガの主人公は失敗しません。ほとんどの主人公は少年時代から才能を見せており、強くてニューゲームみたいな状態で始まります。
だから、描かれる物語も自然と決まってきます。それは「主人公がどうやって窮地を乗り越えるのか」ということです。もう、乗り越えられるのは分かってるんです。それでも、圧倒的に不利な状況から、いかに上手い具合に抜け出すのか。そこが話の見せ所なわけです。
 海皇紀:川原正敏
『海皇記』という作品が、まさにそう。『修羅の門』の作者が描く、もう一つの『修羅の刻』シリーズとも言える作品です。主人公ファン・ガンマ・ビゼンはいつでもヘラヘラ笑っている、掴みどころのない男。ところが、格闘でも海戦でも無類の強さを発揮する。どんなことでも不可能でない、そう思わせる主人公なのです。
ある意味で、あらゆることが可能であり、何を成し遂げても驚きがないということもできます。最終的には絶対に成功するんですから、予定調和なんです。でも、面白い。その不自然さを感じさせない。わかっていながら、面白く感じさせるんですから、これは非情に難しいことです。
ジャンプのマンガは、弱い主人公が強くなっていくことがメインです。そして、ライバルたちはどんどん入れ替わっていきます。だから、月マガのように、一人の人物のすごさを丹念に描き出すことができません。一方で、月マガは全部のキャラクターが強いことが前提になってますから、『アイシールド21』のセナや『ダイの大冒険』のポップのようなキャラは滅多に出てこないんですよね。
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