『ガッシュ』の中の人関連で、サンデーが話題になってますね。小学校6年間をサンデーに費やした人間としては、ちょっと悲しいクローズアップなんですが。僕の6年間の経験でいいますと、サンデーのマンガって、全体的に丁寧に作ってあるんですよね。それはアンケート至上主義のジャンプにはできないことなんですよ。
 呪法解禁!!ハイド&クローサー:麻生羽呂
例えば、こちら。『ハイド&クローサー』の一コマです。凄腕の呪術師だった祖父ちゃんを持つのは、何をするにもダメダメな主人公・黒兎春瓶。お祖父ちゃんの呪術パワーをいただくためには、主人公の心臓を手に入れる必要があります。
世界中の呪術師から命を狙われることとなった春瓶。彼が頼りにできるのは、お祖父ちゃんの残したちっさなクマのヌイグルミ・ハイド。外見はかわいいけれど、中身はハードボイルドなのです。弱気な春瓶がヌイグルミのハイドと力をあわせて戦う、というマンガなのです。
上は、影を操って人間を傷つける呪術人形です。複雑な文様の描かれた人形と、床に映し出された恐ろしげな影。影は影によって傷つけられ、影の怪我は本体の怪我となります。影の心臓を刺されれば、人間の心臓も串刺しとなるのです。
 呪法解禁!!ハイド&クローサー:麻生羽呂
そして、こちら。一見すると違うシーンに見えますが、実はコレは一つ目の画像と同じシーンです。一つ目の画像は第九話の最後、二つ目の画像は第十話の最初のコマなんです。先週どんな内容だったのかを、ちゃんとおさらいしてくれているんです。
これって、すごく不利なシステムなんですよ。例えば、単行本では全く同じシーンが連続してしまうことになります。それは別のマンガ雑誌に連載しているマンガに比べて情報量が少ないってことです。特にジャンプなんか、滅多に使いません。
だって、ジャンプにはアンケートシステムがありますからね。あそこは連載作品同士を競い合わせることで面白さを追求していく雑誌ですから、ちょっとでもぬるい作品はどんどん切られていくわけです。そんな場所で、おさらいなんてやってられるわけないです。
でも、これっと雑誌読者にはありがたいシステムですよね。「先週って何やってたんだっけ?」と思う読者は少なからずいます。特に、連載が長引けば長引くほど、何をやっていたんだったか分からなくなります。それをちゃんとフォローしてくれるんです。
このおさらいシステムは、サンデーの作品には結構使われてます。ということは、マンガ家本人が考えてやってるわけではなくて、編集部が意図してやらせているシステムということです。伝統といってもいいかもしれません。
これは編集部がマンガ雑誌を作っていく上で、「マンガがとにかく面白い」ことや「他のマンガ誌の単行本より売れる」こと以上に、「読者がちゃんとついてこられる」ことを重視しているってことです。一貫した姿勢でマンガを作っていくって、すごいことです。
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