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■2008/07/15(火) 同じスペースで多くの情報を伝える手法。 このエントリーを含むはてなブックマーク


続水惑星年代記:大石まさる


 ここには二種類の情報が併記されている。まず、一つ目はキャラクターの情報である。キャラクターの情報とは物語の情報である、と言い換えてもいい。マンガがストーリーを語る上で必要とするのは、台詞と動作だからである。

 右上に男女が描かれ、藪に走り去っていくのが分かる。男性の上にはパチパチとしたものが描かれ、内容は分からないけれど、何かを叫んでいるのは分かる。彼と彼女は言い争ったまま、どこかに走り去っていくのだ。

 それを見て、手前の女性が二人を追いかけていく。右側と左側のキャラクターが同じ人物であることは服装から読み取れる。右側で二人の様子に気づき、左側で二人を追いかける。同じ人物を二回描くことで、発見と追跡という二つの動作を表している。

 これに加えて、背景の情報がある。右側のコマと左側のコマは独立していない。背景部分は地続きにつながっており、接続することでより大きな背景と見ることができる。逆にいえば、背景だけを見れば、コマが二つに分かれていることの方が不自然なのである。

 何故に、コマを二つに分けているのか。それは手前の女性の動きを二回分描くためである。コマが一つであれば、発見と追跡のどちらかしか描けない。便宜上でもコマを分割することで、同じキャラクターが同一のコマに複数回描かれることを防いでいるのだ。

 仮に、大きなコマで発見だけを描いた場合、新たなコマを作って追跡を描き足す必要が出てくる。より多くのスペースが必要なわけだ。それを防ぐために、本来なら一つであるコマを二個に分割する。省スペース化の手法なのである。
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