ジャンプバトル漫画の変遷(前) - N.S.S.BranchOffice カトゆー家断絶から。
実際、ジャンプマンガにおいて、バトルや格闘は必須のものである。どんなマンガにも戦いを、どんなマンガにも戦闘を加える。争いのためにマンガを作ることもあれば、マンガの中に殴り合いを組み込むこともある。人気のために戦からマンガを作り、テコ入れのために闘争を付け加える。
こうした中で、幾つかの工夫が生まれてきている、と感じる。どちらにしろ、戦うことは必須である。逆に言えば、戦いの質は変化してもいいのだ。常に戦い続けられる戦い、できるだけ自然に戦いを続けられるシステムが編み込まれ始めている。
■障害レースとしてのバトル
例えば、『アイシールド21』。彼らの目標はクリスマスボールに到達し、優勝することである。クリスマスボールとは野球における甲子園のようなものであり、アメフトで日本一を決める大会であるらしい。そして、物語は部員を集めるところから始まる。
最初の地点と最後の地点を明確に定めるのが、工夫の一つである。そして、その間に戦いを必然のものとして組み込んでいく。戦いとは、つまり、障害である。障害には様々な種類があり、それらには特徴や弱点がある。
主人公は様々な障害に対して様々な対処を行い、時には切り抜け、時には迂回し、時には飛び越えていく。どんな手を使ってでも越えられればよいのであり、強弱ではない。そして、障害は立ちふさがるものなので、別の障害と争うこともない。ゆえに、インフレは起こらない。
『アイシールド21』は現在本誌で帝黒アレキサンダースと戦っている。関西の強豪であり、全国のスタープレイヤーばかりを集めたチームだと紹介されている。それ以前は、神龍寺ナーガや王城ホワイトナイツなどと戦っている。
厳密にいえば、それらには強弱がある。あるチームと別のチームが対戦すれば、どちらかが勝利する。それは当然なのだけれど、それが描かれることは滅多にない。それを初めてしまえば、強弱がはっきりし、インフレが起きるからである。
■手段としてのバトルを明確化
戦うためにバトルを行えば、そこには強弱が生まれていくしかない。しかし、道を進むだけ、目標地点に到達するためだけに、障害を排除していく。そうすれば、強弱は明確にはならない。相性が悪かった、障害の種類が違ったからだ、と考えることができる。
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