 ONE PIECE:尾田栄一郎
『ワンピース』の魅力はキャラクターにある。多種多様なキャラクターでありながら、調和の取れた世界観。コントロールされた多様性というようなものがあり、個々人が自由自在に動きながら、同時に読者が信頼もできる。そうしたキャラクターの魅力がある。
そのキャラクターの魅力は、ほんの小さなところに表れている。一見すると見逃してしまいがちなところではあるけれども、作品の各所にしっかりと書き込まれている。それが例えば、キャラクターの足取りなのである。
例えば、左端にサンジが歩いている。おそらく、両手をポケットに突っ込んで、蹴るようにして進んでいる。描かれてはいないが、たぶん、しかめつらしい顔でつまらなそうにし、タバコをくわえている。食材の仕入れでも考えているのかもしれない。
中央にはウソップがいて、両手を頭の後ろに組んでいる。がに股をして、ダラダラと、ニヤニヤしながら歩いている。昔だったらバラバラに分かれて園内を歩くなんてしそうにもなかったが、ずいぶんと危険なことにも慣れてきた感じがする。
ルフィはルフィらしく、ナミもナミらしく。その他、それぞれのキャラクターが全員、自分の性格を表すような姿で歩いているのが分かる。俺が『ワンピース』を読みなれているのもあるが、後ろ姿だけで十分に個性が表れている。
その存分に作り上げられ、上手い具合に表現されているキャラクターこそが、『ワンピース』の魅力である。仮に海賊でなかったとしても、近未来を舞台にしたSFであったとしても、やはり変わらずに楽しめるであろう。それくらいに、キャラクターに魅力が溢れている。
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