
『巨娘』が面白い。色々な意味で面白い。純粋にマンガとしても面白いし、演出の仕方やキャラ造形的にもすごく面白い。ごちゃごちゃゴチャゴチャ考えるのが好きな、俺のようなマンガオタクには一冊で二種も三種も楽しめる。お得な一冊である。
俺が感じた楽しみの全てを一度に書くのは無理なので、何回かに分けてアップしていくことにする。今日は『巨娘』のストーリーの解説をした後で、主人公のジョーさんについて説明していく。
まず、『巨娘』のお話。主人公は巨娘ことジョーさん。本名は分からないけど、他の人全員に「ジョー」もしくは「ジョーさん」と呼ばれている。なんで彼女が巨娘なのかといえば、身長が181cmもあるから。女性にしては大柄であり、和田アキ子をも越えるほどだからである。
ただし、ジョーさんは単にでかいだけで巨娘と呼ばれているわけではない。だって、ジョーさんは背はメチャメチャ高いが横幅はそれほどでもない。体の大きさだけで考えれば、もっとでかい人はいくらもいそうな気がする。そう、ジョーさんが巨娘なのは、体の問題だけではないのだ。
ジョーさんが巨娘たる由縁は、その豪快さである。店長を務める焼き鳥屋にヤクザが絡めば、力づくで叩き出す。ダメ人生を歩んできたダメフリーターの根性を叩き直す。可愛い少年(年上)と付き合えば、酔わせて押し倒す。
しかし、豪快だからといって、ジョーさんは粗暴であったり横暴であったりする人でもない。仁義は通し、道理を聞く。信念は貫き通すが、部下や上司の言うこともちゃんと聞く。聞いた上で、説得なり論理で詰めて、やりたいことをやるのだ。

このジョーさんのカリスマ性を見ていると、彼を思い出す。『ハチミツとクローバー』に出てくるローマイヤ先輩である。『ハチクロ』は美大学生の切ない恋模様を描いた、ちょくちょくコメディ要素も入っている、少女マンガである。映画化・アニメ化に続き、今度はドラマ化されるとのことだ。
この『ハチクロ』に時たまローマイヤ先輩という男が登場する。芸術的な才能はずば抜けていながら、自分の好きなようにしか動かない森田。何でも小器用にこなすが、不器用な生き方しかできない真山。などなど、一癖も二癖もある性格の捻じ曲がった男たちが、ローマイヤ先輩にだけは心を開き、慕うのである。
ジョーさんとローマイヤ先輩の共通点は、その溢れる漢気である。どんなことが起きたとしても、この人ならなんとかしてくれる。この二人には、そんな信頼感があるのだ。
『巨娘』キャラ編に続く。
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