
マンガ、エロマンガ、ライトノベルと書いてきたので、今日はウェブマンガについて書いてみる。テーマは『ドラえもん』を題材にしたウェブマンガ。
まず、『ドラえもん』の解説。『ドラえもん』といえば、国民的マンガで国民的アニメである。おそらく、マンガよりも大山のぶ代さんが声をやっていた旧アニメのイメージが強いだろう。藤子・F・不二雄先生の名作である。
勉強もできなければ、運動もできない。将来の給料泥棒は間違いない。それが『ドラえもん』の主人公、野比のび太である。そんなのび太の元に、ある日ロボットがやってきた。未来の国から送られてきた、二つの丸をくっつけたような青いロボット。それがドラえもんだ。
のび太があまりにもふがいないせいで、未来は大変なことになっている、とは彼の孫の弁。過去をどうにかして、未来も良くしようという考えの元に、家庭教師でお目付け役としてドラえもんが送られてきたのだ。
毎回のエピソードは大体こんなもの。のび太が学校でいじめられて、帰ってくる。ドラえもんに泣きつくと、渋々ながら未来の道具を貸してくれる。その道具を使って、いじめっこをいじめ返したり、現実逃避をするのだけど、何故か必ず失敗する。ちゃんちゃん。
最も正統的な、『ドラえもん』の笑えるパロディとして完成度が高いのが、亀吉さんの「21世紀中年」である。こちらは朝目新聞さんのネタ絵の掲示板で連載されていた作品である。
この作品には、のび太やドラえもんは当然だが、ハットリ君や怪物君も登場する。だから、正確には藤子・F・不二雄先生のパロディマンガである。大きく原作と違う点は、そこに描かれているキャラクターの等身が異様に高く、リアルな劇画描写であることだ。
そして、『ドラえもん』系のウェブマンガで一番有名なのが、「ドラえも」だろう。これは双葉ちゃんねるの落書き@ふたばで連載されている、1マスマンガである。1マスマンガというのは俺が今考えた単語である。1マスの中ならコマは幾らあってもいいが、エピソードはその1マスの中で完結する類のものである。
「ドラえも」では、登場人物の設定が大きく違う。主人公ののび太は何をやらせても完璧にこなす、イケメンの超人である。原作『ドラえもん』で完璧超人だった出木杉は女装が大好きの変態美少年である。しずかちゃんは優しさと凶暴さの二重人格で、ジャイアンは乱暴な少女になっている。そして、それらの美少女はみなのび太が大好きなのである。
一言でまとめれば、『ドラえもん』のキャラ設定を利用しつつ、『ラブひな』のようなハーレム系にまとめた、ウェブマンガである。双葉らしいというべきか、ネットらしいというべきか、ごく自然とパロディが使われており、そこがオタク心をくすぐるポイントでもある。
同じく双葉ちゃんねるで連載していた『ドラえもん』マンガで、俺が好きだったのがtkpさんの「ネジ」である。(作者のtkpさん本人はシリーズに名前をつけていないので、ネジというタイトルは仮称のものである)。
このマンガの主人公は、ちょうど三十路を越えた女性・ユキちゃんである。マンガの1マス目は、ユキちゃんが手に持ったネジを眺めて、疑問符を浮かべているところから始まる。2マス目を見ると、ネジを持ったユキちゃんと頭を凹ませて、イッちゃった声と顔をするドラえもんが描かれている。どうやら、ネジはドラえもんの頭の中のものらしい。
この三つの作品、同じ『ドラえもん』という作品を題材にしているのだが、実は元ネタとしている部分が違っている。「21世紀中年」は原作のマンガとアニメを元ネタにした、スタンダード派である。「ドラえも」はギガゾンビやメデューサなどが登場することからも分かるように、劇場版の設定が色濃い。
それに比べると、「ネジ」の元ネタは何であるのか、判別し難い。実はこのマンガには、のび太もジャイアンも登場しない。そこに登場するのは壊れたドラえもん一つのみである。パロディというよりも、スピンオフと考えた方が分かりやすいようにも思う。
ネットには『ドラえもん』のパロディが幾つもある。それらを見比べる時、それが何から来ているのか。そう考えると、ちょっと面白い。
|